2022年のDXと今後–テクノロジー導入戦略を決定づける主要トレンド
今回は「2022年のDXと今後–テクノロジー導入戦略を決定づける主要トレンド」についてご紹介します。
関連ワード (DXのトレンドと成功に向けたインサイト、特集・解説等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
2022年初頭は、世界の多くの国々がCOVID-19のパンデミックとの共生に適応しようとしていた。パンデミックは収束にはほど遠く、繰り返される新しい変異株の登場とCOVID-19の過酷な後遺症に苦しむ人々の増加というパターンが定着したように思える。
2月には、ロシアのウクライナ侵攻が世界に別の衝撃を与えて、サプライチェーンがさらに混乱し、エネルギー価格が上昇した。その結果として発生したインフレ率の上昇と景気後退の脅威は、困難な2年半を乗り切ってきた企業にさらなる重圧を加えている。
パンデミックは、企業と顧客および従業員の関係に多くの変化をもたらした。最も顕著な変化は、対面でのやりとりからオンラインとリモートへの移行だ。米ZDNetは2021年、デジタルトランスフォーメーション(DX)が「パンデミック下でその価値を証明し、デジタル成熟度の高い企業は一般的に、深刻な混乱に直面しても立ち直りが早い」ことを説明した。
パンデミックに起因するこれらの構造的変化は、恒久的なものになりそうだ。たとえば、リモートワークやハイブリッドワークに移行した従業員の多くは、恒久的なオフィス勤務に戻ることを望んでいない。
これらが示しているのは、新テクノロジー導入の明確なロードマップを策定し、将来の社会や経済にどのような逆風が吹いても生き残って成長できるようにする必要があるということだ。これは「スマート」デジタルトランスフォーメーションと言ってもいいだろう。
たとえば、「緊急」デジタルトランスフォーメーションモードでは、ITマネージャーが急いでリモートワーカーに新しいノートPCなどのデバイスを用意し、コラボレーションツールのトレーニングを実施して、ロックダウン下でつながりを維持しようとした。対照的に、「スマート」モードでは、従業員体験(EX)プログラム全体を再構築して、柔軟性と生産性を高めていく方法を検討する必要がある。もちろん、これをパンデミック前にすでに実施していた企業は今、非常に有利な立場にある。
デジタルトランスフォーメーションを成功へと導くには、新しいテクノロジーの機能だけでなく、顧客と従業員の要件の進化や、ビジネスの全体的な方向性についても理解しなければならない。また、テクノロジー投資について正しい判断を下すことのできるリーダーシップも必要だ。
本記事と米ZDNetの2022年デジタルトランスフォーメーション特集で公開される記事では、これらの点を取り上げる。
2021年が終わりにさしかかるころ、(先進国での)ワクチンの展開が広く進んでいたにもかかわらず、COVID-19のパンデミックが猛威を振るい、ウクライナ危機はまだ発生していなかった。このときIDCは、2022年以降のデジタルトランスフォーメーションに関する予測を発表した。
IDCが示した10の具体的な予測(後述)には、根拠となる一連の要因がある。これにはマルチプラットフォームのデジタルエコシステム、「デジタルファースト」のビジネス戦略を採用する必要性、顧客、ビジネスパートナー、サプライヤーなどの関係者との関わりの再考、環境と社会に対する責任、「グローバリゼーション2.0」とサプライチェーンの問題、さまざまな業界や環境に広がる混乱、アジャイルイノベーションによって繁栄する将来のデジタル企業などが挙げられる。
以下では、2022年のデジタルトランスフォーメーションに関するIDCの予測の重要な点(米ZDNetが強調)を、同社幹部のコメントを交えて紹介する。
「2年前は、73%の企業がデジタルロードマップを策定していなかった。戦略への取り組み方にかかわらず、『今いる場所から将来いる場所へどうやって進むか』という計画がなかった。現在では50%もの組織が、デジタル計画にビジネス計画が反映されたロードマップか、デジタル計画をビジネス計画とするロードマップのどちらかをすでに策定している。これは劇的な増加だ」(IDCのワールドワイドデジタルトランスフォーメーション戦略担当リサーチディレクターShawn Fitzgerald氏)