KDDIとモチベーションワークス、セキュリティを確保したクラウド型校務支援サービスを提供
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KDDIとモチベーションワークスは8月31日、教職員の働き方をデジタル変革(DX)するクラウド型校務支援サービスの提供開始を発表した。同サービスの提供により、教職員の校務の効率化とセキュリティの確保の両立を目指すという。なお、今回のサービス提供に先立ち、両社は6月6日に教職員の働き方改革を目指す、学校のDXに向けた業務提携を締結している。
同サービスは、モチベーションワークスが提供しているフルクラウド統合型校務支援システム「BLEND」と、KDDIが提供している「KDDIビジネスオンラインサポート」「KDDI Business ID」をセットにしたもの。校務に必要な出欠・成績登録や指導要領の帳票出力などの機能を搭載しているほか、複数のID管理や2段階認証が可能なため、学内外のどこでもセキュリティを確保しながら作業できる。同サービスの提供は、生徒一人につき月額300円としている。
KDDIグループはこれまでに、全国の自治体や私立学校のICT化を支援してきた。会見に登壇したKDDI ソリューション事業本部 ソリューション事業企画本部 事業企画部 企画2G グループリーダーの吉川元規氏は「文部科学省の推進する『GIGAスクール構想』により、多くの学校で生徒のICT環境の整備が進んでいる一方、教職員の働き方改革については多くの課題が残されている」と説明。
膨大な校務が紙か旧型システムに依存しており、非効率な処理による教職員の業務時間が肥大化していること。また、学校教育で使われるはずのICT機器の文鎮化や使用方法、故障時などの対応に教職員が不安を抱えていること。ほかにも、プログラミングや「総合的な探究の時間」の設定など、次世代教育に対する経験・機会の不足が現場の課題として挙げられた。
このような課題を踏まえ、KDDIは教職員の業務負荷を削減して質の高い教育の実現を目指すとし、BLENDやゼロトラストの普及活動に取り組む意向を示した。
また、モチベーションワークス 執行役員副社長 野本竜哉氏は「学校の“余白”を取り戻す」というメッセージを掲げ、業務提携を進めていきたいとコメント。「教職員の働き方改革を支援する目的は、教職員が生徒に向き合う余白を取り戻すため。生徒が教職員との関わりを通して、一人一人の未来をつかめるような学校に戻したいという思いから業務提携を開始した」と話した。
BLENDは、全機能をクラウド上で構築していることからサーバーの設置が不要で、常に最新のサービスを受けることができる。どの端末からでもアクセス可能なため、教職員は校内のどこでも基本校務を行うことができ、業務の負担軽減につながるとしている。また、校務周辺システムとの統合ができるため、別々のシステムになりがちな生徒の健康観察や保護者向けのアンケート機能、教職員の出退勤管理など、学校関連の情報もBLEND上で一元管理できる。
しかし、BLEND単体ではネットワークやインフラのセキュリティ課題を防ぐことが難しいと、野本竜哉氏は説明。より安全に利用してもらうため、KDDIの「マネージド・ゼロトラスト」などのセキュリティサービスを組み合わせたサービスを提供する運びになったという。
ゼロトラスト型セキュリティは、情報資産にアクセスする度に安全性を検証するセキュリティの考え方。KDDIはこのマネージド・ゼロトラストのコンセプトに基づき、高度なセキュリティ運用サービスとセキュアなPCを学校向けに提供する。KDDIのログ分析基盤や自動分析エンジンを提供するほか、専門のアナリストが分析と運用を行う。
BLENDと同時にゼロトラストを利用することで、多要素認証やシングルサインオンで情報漏えいのリスクを低減。また、ネットワーク監視で不正な振る舞いを検知するなど、校内だけでなく校外でも安全に校務や学習システムを利用できる環境を実現するとしている。
吉川元規氏は、「今後はBLENDと学校DXの知見、同社のデータ分析やセキュリティのノウハウを生かし、教育のICT化や働き方改革だけでなく、個々の生徒にデータで分析し、最適な学習指導を行える、個別最適化学習の領域まで進めていきたい」と話した。