ヴイエムウェア、マルチクラウドを統合運用管理する「VMware Aria」を発表

今回は「ヴイエムウェア、マルチクラウドを統合運用管理する「VMware Aria」を発表」についてご紹介します。

関連ワード (ITインフラ等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 VMwareは、米国時間8月29日~9月1日に開催した年次イベント「VMware Explore 2022」で、マルチクラウド管理ソリューションの「VMware Aria」を発表した。同社の担当者が製品の詳細を説明した。

 VMware Ariaは、インフラとクラウドネイティブアプリケーションのコスト、パフォーマンス、構成、デリバリーを管理するエンド・ツー・エンドのソリューションと位置付けられ、同時に新たなクラウド管理製品ファミリーの名称になるという。VMwareのマルチクラウド管理ソリューション「VMware vRealize」「CloudHealth by VMware Suite」「Tanzu Observability by Wavefront」のユーザーに対しては、それらに対応するVMware Aria製品が提供されることになる。2023年初頭にかけて、ブランディングやサポート体制の構築、ドキュメントの提供などが行われる予定だ。

 VMware Cloud Management Business Unit担当Senior Vice President and GMのPurnima Padmanabhan氏は、「多くの企業が速いスピードでマルチクラウドを採用している。だが、どのクラウドにどのアプリケーションを使うのか、どう拡張するのか、どうパフォーマンスを上げるのか、コストは最適なのか、セキュリティはどうなのかといったシンプルな疑問に答えられない状況にある。それぞれのクラウドに管理ツールがあり、それぞれにチームがある。この疑問を解決するには、全ての人たちを動員しなくてはならない。それを解決するのがVMware Ariaになる」と説明する。

 VMware Ariaでは、マルチクラウド環境の複雑性を把握するグラフベースのデータストアー技術「VMware Aria Graph」が中核となり、マルチクラウド環境全体の一元的な管理と制御を行う「VMware Aria Hub」の機能として提供される。なお、VMware Aria Hubは、2021年に開催された「VMWorld 2021」では、「Project Ensemble」の名称で発表されていたものだ。

 さらにVMware Ariaは、包括的なコストの可視化を実現し、コストのガバナンスを可能にする「VMware Aria Cost powered by CloudHealth」、フルスタックでイベントを可視化し、それを元にアプリケーションのパフォーマンスを維持する「VMware Aria Operations」、アプリケーションデリバリーを加速する「VMware Aria Automation」の3つのカテゴリーで機能を提供する。「VMware Tanzu」プラットフォームにおけるクラウドネイティブアプリケーションの開発やデリバリー、DevSecOpsおよびライフサイクル管理を補完、拡張することになる。

 基調講演に登壇したVMware 最高経営責任者(CEO)のRaghu Raghuram氏は、「VMwareは、自らの経験でマルチクラウドの課題をよく理解している。高いSLA(サービス水準合意)や高い回復力、高セキュリティを確保しながら管理することの難しさを解決するものになる」と発言。同じく基調講演に登壇したVMware Spring Developer AdvocateのDaShaun Carter氏は、「VMware Aria Graphにより必要な洞察を得られ、全てのデータを1カ所に集約しそこにアクセスすればいい。コストの把握や自動化の実現、効率的な運用が一つの元で管理できる。開発者やオペレーター、ステークホルダーにメリットをもたらすものになる」と述べた。

 VMware Ariaの中核技術のVMware Aria Graphは、クラウドネイティブな運用に特化して設計され、クラウドネイティブアプリケーションや環境の運用課題を解決できるように、ほぼリアルタイムに更新される単一の情報ソースとして提供される。企業が求めるマルチクラウドの管理要件に対応できるとする。

 また、グラフデータストアーとAPIサービスにより、オブザーバービリティやアプリケーションパフォーマンス管理(APM)ツールなどのサードパーティーソリューションとシームレスに統合でき、パブリッククラウドやオンプレミス、VMwareのツール、サードパーティツールなどから収集されるデータによって、マルチクラウド環境の運用強化や自動化、コスト基準の強化を行うことができる。

 Padmanabhan氏は、「マルチクラウド環境は、それぞれにオブジェクトがあり、異なるAPIがあり、データセットも異なる。こうした異なるクラウド環境の状況をミリ秒単位でほぼリアルタイムに収集することは極めて難しい。VMware Aria Graphは数百万のオブジェクト環境を管理し、イベントベースのアプローチもできる。GraphQL APIにより、情報へ即座にアクセスして状況を把握できる。VMwareの製品やVMwareで管理している製品だけでなく、サードパーティーの管理製品にも対応できる」とした。

 また基調講演でRaghuram氏は、「Googleが登場した時に、彼らはウェブのGraphを作った。これが天才的なところでだった。VMwareはこれと似たようなことをした。数百以上のクラウド資産、Kubernetesクラスター、サーバーレスコンピューティング、オンプレミスなどを管理するGraphを作り、管理や自動化のタスクを容易にした。これがVMwareが提供するAriaの仕組みであり、マルチクラウド管理の戦略の中核になる。エンタープライズ企業がマルチクラウド戦略の中核に置くべきものになる」と述べた。

 VMware Ariaでは、新たな管理サービスとして「Everything-as-Code」(EaC)のアプローチが取られ、ネットワークやセキュリティ、コスト、パフォーマンス、構成に対するクラウドガードレールを、マルチクラウド環境に対して一括で自動適用する「VMware Aria Guardrail」、VMware HCXと連動しながら評価、計画、実行を自動化し、マルチクラウドへの移行を迅速化する「VMware Aria Migration」、AIおよびMLによって分析したフルスタックイベントの相関から、関連するビジネスの洞察を識別する「VMware Aria Business Insights」も順次提供する。

 VMware Aria MigrationおよびVMware Aria Business Insightsは、テックプレビューとして提供され、VMware Aria Guardrailは2022年第3四半期に提供する予定だという。Padmanabhan氏は、「VMware Ariaにより企業は、さまざまな統合作業をしなくても、マルチクラウドの環境を把握、管理できるようになる。マルチクラウドの複雑性を排除し、ビジネスの俊敏性を実現する」と語っている。

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