富士通研究所、人の複雑な行動を関節の位置や接続関係から認識するAI開発
今回は「富士通研究所、人の複雑な行動を関節の位置や接続関係から認識するAI開発」についてご紹介します。
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
富士通研究所は、映像による人の行動認識において、箱を開けて物品を取り出すなど、複数の関節が連動して動くような複雑な行動についても、深層学習で高精度に認識する技術を開発した。
この技術を工場での作業手順の確認や公共機関における危険行動の検知などに活用することで、安全性やサービスを大幅に改善するなど、安心安全な社会の実現に貢献できるという。
開梱作業などの複雑な行動では、腕の曲げ伸ばしに伴い、手や肘、肩の関節が連動して動くが、今回開発した技術は隣り合う各関節の位置や接続関係のデータを利用する。
なおこの技術は、行動認識分野における骨格データを用いた世界標準のベンチマークにおいて、隣り合う関節の情報を用いない従来技術の正解率を大きく上回り、世界最高精度を達成したという。
同研究所では、関節位置をノード(頂点)として、人体の構造に基づいて隣り合う関節を結んだエッジからなるグラフを採用し、グラフ構造の畳み込み演算を行うグラフ畳み込みニューラルネットワークの新たな人工知能(AI)モデルを開発した。
このモデルを、あらかじめ関節の時系列データを用いて学習することで、隣り合う関節との接続強度(重み)が最適化され、行動の認識に有効な接続関係が獲得できる。従来技術では関節ごとの個別の特徴を正確に捉える必要があったが、学習済みのAIモデルでは、連動する隣り合う関節を併せた特徴量が抽出でき、複雑な行動に対する高精度な認識を実現したという。
同技術を行動認識分野における骨格データを用いた世界標準のベンチマークで評価したところ、公開データセットにおける、立つ、座るなどの単純な行動では、隣り合う関節の情報を用いない従来技術と同等の正解率を保った。一方、開梱作業、物を投げるなどの複雑な行動では正解率が大きく向上し、全体として7%以上も上回り世界一の認識精度を達成したという。
同研究所では今後、今回開発した技術で得られたAIモデルを、同研究所の行動認識AI「行動分析技術 Actlyzer(アクトライザー)」の基本動作100種類に追加する。これにより、複雑な行動を高精度に認識するモデルを短時間で構築し、2021年度中の実用化を目指す。
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