第2回:CMSから始めるDX–第3世代・ヘッドレスCMSを大解剖

今回は「第2回:CMSから始めるDX–第3世代・ヘッドレスCMSを大解剖」についてご紹介します。

関連ワード (CMSから始めるDX、マーケティング等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 前回はコンテンツ管理システム(CMS)の重要性とその進化を紹介しました。今回は、消費者意識の変化に関するレポートを基にCMSの重要性を再確認し、前回紹介した第3世代CMSである「ヘッドレスCMS」を深掘りします。今回説明する上で技術的な用語が出てきますが、それぞれを深く知る必要はありません。最近はどういったキーワードが重要なのかを頭の中に入れるきっかけにしてもらえればと思います。

 サイトコアが2022年7月に発表した調査結果では、「消費者とお気に入りのブランドとの関係性は、米国よりも日本の方が希薄である」という傾向が明らかにされており、引用すると以下の通りです。

 グローバルサイトで製品情報を提供している担当者からすると、日本よりも米国の方がデジタル上のタッチポイントにおける情報取得の重要性が高いと分かります。一方、「購入ブランド検討の際、価格よりも重要なことがあるとすれば何か」という問いに対しては、日本では半数近くの回答者が「信頼性」を挙げており、この点でもウェブサイトのコンテンツを充実させることは重要です。

 ヘッドレスCMSというジャンルの製品は、2013年創業の独Contentfulが提供し、Sitecoreも2018年にCMSのヘッドレス対応を完了して提供しています。最近は多くの製品が「ヘッドレスCMSに対応」と銘打っており、どの製品でも問題ないように見えますが、CMSの選定ではテクノロジー面で確認した方がよいことがあります。

 海外市場の最近の傾向として、「MACHアーキテクチャー」というコンセプトがよく見られます。このMACH(マック)という単語は、「Microservices」「API First」「Cloud Native SaaS」「Headless」の頭文字を並べた造語です。つまり、システムがマイクロサービスで、APIを通してシステム連携が可能で、SaaSで提供されており、ヘッドレスに対応しているというコンセプトです。このMACHアーキテクチャーに関する業界団体であるMACH Allianceには、Amazon Web Services(AWS)らが参加しています。

 MACHアーキテクチャーを採用している製品のメリットとして、他のシステムとのデータ連携がマイクロサービス/API連携で可能であり、他社の製品であっても一緒に利用できることがあります。これまでの多くの製品では、提供するツールやサービスの会社が異なる場合、連携するにはカスタマイズなどが必要でしたが、一定のガイドラインがあることから比較的簡単に連携できます。

 他のシステムとの連携はますます重要となるため、MACHの「H」の部分に関しては、ヘッドレスに対応したCMSを優先的に選定することが求められます。ヘッドレスの製品を組み合わせることで、デジタルのタッチポイントを強化する取り組みにおいて、複数のベンダーのシステムを組み合わせて採用することが容易になります。そして、各サービスがSaaSで提供されることにより、新しい機能が素早く提供され、必要なタイミングで搭載できるようになります。

 一つの製品で全てのことを実現するのではなく、使いたい機能を追加していくコンポーザブルな仕組みを企業が求めている場合、ヘッドレスCMSも必要な構成要素であるといえます。

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