コニカミノルタ、働く価値を高めるオフィスづくり–オフィス改革への関心集まる

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 コニカミノルタジャパン(コニカミノルタ)は9月21日、「空間デザイン事業」に関する説明会を開催した。同社は2013年から働き方変革プロジェクトを発足し、蓄積した知見を他企業へ提供するサービスを2018年から開始。2021年の本社オフィスリニューアルと合わせて、マーケティングサービス事業部を設立した。

 その一部門となる空間デザイン統括部は、「働き方の可視化を念頭に置いた(従業員の)帰属意識醸成やコミュニケーションの創出により、従業員エンゲージメントの向上や人材確保を実現するための、空間やファシリティーを用意する」(コニカミノルタジャパン 執行役員 マーケティングサービス事業部長 栗山秀樹氏)

 コニカミノルタは2018年から「いいじかん設計」を始動している。マーケティングサービス事業部 空間デザイン統括部長 宮本晃氏は、「自動化などで削減した『作業じかん』をアイデア創出につなげる『創造じかん』に割り当て、さらに自身の能力向上や視野拡大に費やす『じぶん時間』が、多様なソリューションを生み出す『土台』だ」と説明した。

 空間デザイン統括部はコニカミノルタが蓄積した知見をもとに、オフィスの軽量化や衛生対策、リモートワークの円滑化、紙文書削減や業務フロー改善をコンサルティングやオフィスツアーなど多角的な支援サービスを提供する。当然ながら自社でもリモートワークやハイブリッドワークを導入しているが、「2020年のコロナ禍は柔軟にリモートワークへ移行できた。だが、ハイブリッドワークの必要性や若手社員に顕著だったコミュニケーションに対する不安、リモートワークで創造的な発想をし続けることは可能か」などの課題を定義し、2021年のオフィスリニューアルに至った。同社の25階と26階は「つなぐオフィス」と呼称し、作業効率の向上やアイデア創出など業務内容に応じて7種類の領域に区分している。

 25階は創造性を高める「High Creativity」、共同作業向きの「High Collaboration」、集中して業務を行う「High Focus」、経営層が利用する「High Secure」、重要業務を行う「High Function」の5種類。26階はイベントなどにも利用可能な「High Innovation」と出社した従業員のコミュニケーションに活用する「High Community」の2種類。宮本氏は「せっかくオフィスに来たのであれば、業務効率や創造性、エンゲージメントが大幅に向上しなければならない。そうでなければ家にいる方が良い。会社に来たからこそ価値を高めるオフィスとして、『7つのHigh』を作り上げた」と説明している。

 予約制で利用するHigh Focusは空調音風の背景音を部屋に流して集中力を高めるサウンドマスキングシステムや、オンライン会議用の個室ボックスを用意。High Creativityはアースカラーを基調色に従業員の開放感を演出しながら、共同作業や短期間の会議、従業員の幸福感向上を目的とした個室を用意する。

 High Collaborationは会議の倦怠(けんたい)化を避けるため、4×4の格子模様に合わせた家具を配置。参加する従業員数に応じて複数のグリッドを利用して、共同作業の品質向上を目指す。また、オフィス家具の劣化や流行遅れを避けるため、年1回のサブスクリプションサービスを採用している。High Creativity、High Collaboration、High Focusは同等の面積を割り当てているが、「大小で使い勝手に差が生じる。同じ面積で効果を検証していく」ためだという。

 つなぐオフィスは2021年から稼働しているが、High Focusの利用者にアンケートを実施したところ、「周囲の情報が視界に入らない(31%)」「静か(23%)」「話しかけられない(16%)」が上位に並んだ(有効回答数=100)。また、三方向を閉じた席に人気が集まり、「視界を遮断して(作業に)没頭できる空間を用意すれば、従業員の集中力は高まる」ことが証明された。なお、広めながらもオープンなデスクや、旧芝離宮恩賜庭園を見下ろせるデスクの利用は少なかった。

 現在は76%の従業員がハイブリッドワークを実戦している同社だが、つなぐオフィスに対する他社の関心度は高まっているようだ。2018年7月~2019年6月のオフィスツアーと2021年7月~2022年6月の実施回数を比較すると、44.3%も増加している。宮本氏は「ハイブリッドワークが浸透しつつも運用方針など課題を抱えている。どんな挑戦、どんな成果、どんな失敗をしたのか知りたがっている要望が数字に現れた」と説明した。同社従業員に割り当て空間も約3平方メートルから、7平方メートルに増加している。

 空間デザイン統括部による空間デザインの効果として、コニカミノルタはクボタや某化学メーカーの事例を披露。クボタは都内に点在するオフィスを京橋トラストタワーに集約させるため、フリーアドレス化やABW(Activity Based Working)を導入した。合わせて実施したペーパーレス化は79%の紙文書や書籍の削減に成功。1.4倍に増加した従業員のワークスペースの確保も実現している。

 某化学メーカーはオフィス環境のリニューアルをきっかけに、コニカミノルタと従業員を巻き込んだワークショップを開催してアイデアを収集。当然ながらアイデア提案に不慣れな従業員もいる中、コニカミノルタは「ワークプレイス勉強会やワークプレイスツアー、ワークショップを実施。インプットがない状態でワークショップを開催してもブレイクスルーしない」と取り組みを説明した。某化学メーカーは従業員のコミュニケーションとリフレッシュに軸足を置いたオフィス環境を実現している。

 コニカミノルタはオフィスリニューアルを望む企業に対して、「Programming Design Task Flow(プログラミングデザインタスクフロー)」を提供する。経営層の現状把握や方向性を聞き取るプロジェクト方針の検討を第一段階。前述したワークプレイスの勉強会を通じたイメージの明確化を第二段階。ワークスタイルの検討や整理、従業員の活動を可視化するワークプレイス基本方針の策定を第三段階。最後に空間デザインの検討やコスト試算など、具体的な設計を第四段階と定義し、サービスを提供する。価格は「コンサルティング期間や組織規模によって異なるが、価格は300万円から」(宮本氏)

 同社は一連の取り組みが、「(High Innovationを始めとする)ショールームやイベントにも活用できる。(他部門のサービスや製品と共に)一気通貫で提案できるのが強み」だと述べつつ、自社の強みは「PM力とデザイン力。部内にはオフィス移転を専任するマネージャーがスケジュール管理や品質管理など多数の調整を担う。また、デザイナーは客先に出向いてヒアリングし、顧客と話をしながら作り上げていく。すると顧客自身も自身の家を作るように(オフィスへ)愛着が湧き、満足度が非常に高い」と主張した。
Programming Design Task Flowの概要

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