ジョーシス、DX推進コミュニティーを本格始動–デジタル人材不足を解決へ
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ラクスルグループのジョーシスは10月14日、日本全体のデジタル化を推進するコミュニティー「ジョーシスラーニング」を開始した。併せて、コミュニティー活性化を目的としたラーニングスタジオもオープンした。デジタル人材不足やデジタル変革(DX)推進の遅れなどを解決するため、企業間の垣根を越えて共に学び成長する場の提供を目指す。
同社はIT機器やSaaS管理などのコーポレートIT業務の自動化を可能とするプラットフォームを運営する企業で、ラクスルの代表取締役社長CEOの松本恭攝氏が同社の代表取締役社長CEOも兼任する。松本氏は同日の記者会見で、「1995年には日米のICT投資額はほぼ同水準だったが、2015年には3倍ほどの差がついた」といい、「日本企業の生産性は先進国の中で最下位」といった背景状況を紹介。さらにIT部門を取り巻く環境として、「特に大企業では、デジタルスキルに大きな課題を抱えている」とし、その背景として「ミドル・ベテラン社員の学習意欲の低さ、学習時間が確保できていないことが挙げられる」と指摘した。
また、同氏は国内大企業でDXが進まない理由として、「リーダーの不在」「現場DX人材の不在」「ベンダー依存構造」の3点を挙げた。社内でDXを推進するリーダー役となる最高情報責任者(CIO)や最高デジタル責任者(CDO)に関しては、国内企業での設置率は欧米に比べて圧倒的に少なく、さらに現場のIT人材の不足も懸念される状況だ。
ベンダー依存構造に関しては、ITシステムを「市場調達が容易か困難か」「競合差別化の貢献度が高いか低いか」という2軸4象限に分類。市場調達が困難で事業の差別化になるところを「コアIT領域」と定義し、この領域を自社開発することが競争力に直結するとした。米国ではこの領域を自社開発し、パッケージが調達できる領域についてはパッケージで、パッケージがない領域は受託開発で、という切り分けのバランスが取れているのに対し、日本は受託開発が9割近く、残りはほぼパッケージで自社開発がほとんどないという。新たな価値創造につながるような、いわゆる「攻めのIT」に関わる投資がほとんど行えていないことが分かる。
同社は、IT機器やSaaSの統合管理とアウトソースによってアナログ業務を自動化し、コスト削減とセキュリティ強化を実現することを提供価値とし、日本企業のDXのインフラ基盤となり、生産性向上とセキュリティ強化に貢献することを目指すという。同社の中核事業であるITデバイス管理の自動化についても、同氏の思いとしては日本企業のDX推進がまず大目標としてあった上で、IT部門がDXに取り組むための余力を作り出すためにはITデバイス管理のような煩雑な日常業務は可能な限り自動化していく必要があるという。
同氏は、DXの実現には「人」「基盤」「セキュリティ」が不可欠だという。人に関しては、前述の通り、ITシステムをコアIT領域として自社開発するのか、既存のパッケージを導入するのか、あるいは受託開発に回すのか、といった判断を下す役割を担うCIO/CDOといった人材がまず不足している状況であり、この人材育成の遅れに対する同社の取り組みが今回のコミュニティー活動ということになる。
続いて、ジョーシスラーニングの詳細を説明した同社のSales & Customer Success Managerの城戸大輝氏は、情報システム部門の現状として「革新的思考を担える人材が不足」「ノウハウ、ベストプラクティスがない」「テクノロジー、サービスの進化が早く追いつけない」といった課題を指摘し、「最新トレンドをキャッチアップし、アンラーニング(学習棄却)するためのラーニングが必要」とした上で、「日本のDXを一歩前に進めるために、企業間の垣根を越えて共に学び成長するコミュニティーを提供する」とした。