凸版印刷、子どもの個性に合った絵本を選定する新サービス–自治体や書店に提供
今回は「凸版印刷、子どもの個性に合った絵本を選定する新サービス–自治体や書店に提供」についてご紹介します。
関連ワード (ソフトウェア等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
凸版印刷は11月22日、図書館を運営する自治体や書店を対象に、子どもの個性に合った絵本を選ぶサービス「conocoterrace for Library」の提供を開始すると発表した。
同社は2018年から、ウェブアンケートで個性診断を行い、子ども一人一人に合った絵本を選ぶサービス「conocoterrace(コノコテラス)」を消費者向けに提供している。同診断は、凸版印刷が早稲田大学教育・総合科学学術院 本田恵子教授の協力を得て開発した「8つの脳力指標」を基にしている。同指標は、「視覚・空間」「身体・運動」「音楽」「対人」「内省」「論理・数学」「言語」「自然・博物学」で構成されている。
今回提供を開始するconocoterrace for Libraryでは、conocoterraceで実施してきた個性診断に、導入施設が保有する絵本を年齢/性別ごとに分類・登録できる「選書登録機能」を搭載。conocoterrace for Libraryにより、従来は施設スタッフが個別に対応していた絵本の案内を効率的に行うことが可能となる。また「図書館や書店の膨大なラインアップから、どの絵本を選んでよいかが分からない」という利用者の悩みも解消する。
凸版印刷は同サービスの提供開始に先立ち、2022年8月に静岡県の袋井市立図書館で実証実験を実施。conocoterrace for Libraryの利用者の9割が「また図書館を利用したい」と再来館への意向を示した。また、施設スタッフ独自の視点に基づいた「お勧めの絵本」の表示により、「スタッフへもっと話を聞きたい」という声も挙がった。この結果から、同サービスは利用者の来館促進やスタッフとのコミュニケーション拡充にもつながると凸版印刷は見ている。
各自治体では「子どもの読書活動推進計画」の策定が進んでおり、図書館を中心に地域全体で子どもの読書習慣の形成を推進するための工夫が求められている。一方、家庭では子ども一人一人に合った絵本の選び方について手助けになる指標がなく、図書館や書店などを利用する際、どのように選んだらよいかが分からないという課題がある。
個性診断のアンケートは、2~8歳の子どもを持つ保護者を対象としており、保護者は子どもの年齢別の設問に約3分間回答する。お勧めの本の一覧「おすすめリスト」は施設スタッフが自身の視点やノウハウを生かして作成するが、conocoterraceの提供で得られた知見を基に、conocoterrace for Libraryが選書を支援することも可能。
同サービスの初期導入費用は20万円からで、おすすめリストの登録数によって変動する。年間のサービス使用料は30万円からで、こちらも導入施設数によって変わる。凸版印刷はconocoterrace for Libraryを含めた個性診断活用サービス全体で、2027年度までに約10億円の売り上げを目指している。