中野区とABBYYら3社、AI-OCRを活用した業務改善の有用性を実証
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東京都中野区、ABBYYジャパン、京都電子計算、トッパン・フォームズは12月6日、AI-OCR(人工知能技術を組み合わせた光学文字認識)を用いて、地方自治体における住民税収納の業務改善ソリューションモデルを構築したことを発表した。また、同ソリューションモデルを導入した中野区は作業量と外部委託コストを削減したという。
今回、中野区はビジネスプロセスマネジメント(BPM)手法を用いてトッパンフォームズと住民税収納業務を改善し、紙帳票からのデータ入力を外部委託による手作業から、AI-OCRを活用した自治体職員によるワンストップ運用に切り替えた。
この運用は、手書きと活字に対応する京都電子計算の「AI手書き文字認識サービス」と、さまざまな大きさで多岐にわたる形状の紙帳票を一つのラインで読み取れるABBYYジャパンの「ABBYY FlexiCapture」との融合で実現したという。その結果、同区では住民税収納業務の作業量を30%軽減し、外部委託コストは25%削減したという。
現在、全国の地方自治体において、住民税収納における「特別徴収納入済通知書」(特徴済通)の消込業務は、民間企業に勤める従業員分、都道府県職員分など、カテゴリーごとにフォーマットが異なる。加えて、金融機関から受領する特徴済通は、収納金融機関ごとに書式が異なる上にOCRライン(バーコード下の18桁の数字)がないことから、1件ずつ区の基幹システムに登録するためのデータを作成する必要がある。
また、口座振替の申し込みに必要な「口座振替依頼書」や還付金を受け取る「口座振込依頼書」は手書き帳票となっており、基幹システムに登録するためのデータレイアウトに合わせ金融機関名・支店名などをコードに変換して帳票に補記する作業を行う。
いずれも区職員が確認しながら1枚ずつ基幹システムに登録する作業は労力がかかるため、外部の入力専門業者に依頼して手入力によるデータ化業務を行ってきたが、労働力の減少や賃金上昇によるコストの増大が課題になっていたという。
これらの課題を解消するため、中野区らは業務改善のためのソリューションモデルを構築し、有用性を実証。同区らは、同ソリューションモデルは全国の地方自治体でも活用できるとし、地方自治体の業務改善やデジタルトランスフォーメーション(DX)化をサポートしていくとしている。