米議員、仮想通貨のマネーロンダリング防止法案を提出
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Elizabeth Warren米上院議員(マサチューセッツ州)は米国時間12月14日、仮想通貨のマネーロンダリングとテロ資金供与を取り締まることを目的とした、「2022年デジタル資産マネーロンダリング防止法」(Digital Asset Anti-Money Laundering Act of 2022)と呼ばれる超党派の法案を提出した。
Warren氏がRoger Marshall上院議員(カンザス州)と共同で提案したこの法案は、現在のマネーロンダリングおよびテロ資金供与対策の枠組みにおける抜け穴をふさぎ、「仮想通貨などのデジタル資産が米国の国家安全保障にもたらすリスクを軽減する」ためのものだ。この法案は、一般の金融システムに適用されているルールにより近い、デジタル通貨のコンプライアンス基準を作ることを目的としている。
米国ではこれまで仮想通貨に関する規制はほとんど行われてこなかったが、今回の超党派の法案はその状況を変えようとするものだ。例えばこの法案では、銀行に顧客の身元確認を義務付ける「Know-Your-Customer」(KYC)などの銀行秘密法で定められた義務の一部を、デジタル資産にも拡大している。
この法案は、世界2位の規模を誇った仮想通貨取引所FTXが経営破綻し、前最高経営責任者(CEO)Sam Bankman-Fried氏がマネーロンダリングなどの罪に問われて逮捕されるという前代未聞の仮想通貨スキャンダルのすぐ後に発表された。
Warren氏は声明で、仮想通貨業界は他の金融機関と同様のルールに従うべきだと主張し、「ならず者国家やオリガルヒ、麻薬王、人身売買組織がデジタル資産を使って、盗んだ莫大な額の資金をロンダリングし、制裁を逃れ、テロに資金供与している」と述べている。「仮想通貨業界は、銀行や証券会社、Western Unionなどと同じように常識的なルールに従うべきであり、この法律は、同様の金融取引全般に同じ基準が適用されるようにするものだ」
サイバー犯罪者らは2021年に140億ドル(約1兆9000億円)以上もの記録的な額を荒稼ぎした。同氏は14日、FTXの経営破綻について調査する上院銀行委員会の公聴会にも出席している。