「つなぐチカラ」で社会課題の解決と持続的成長に貢献–KDDI・高橋社長
今回は「「つなぐチカラ」で社会課題の解決と持続的成長に貢献–KDDI・高橋社長」についてご紹介します。
関連ワード (経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
2023年に向けたIT企業のトップメッセージを紹介する。
KDDI 代表取締役社長 高橋誠氏
世界情勢を見るに、長期化する新型コロナウイルス感染症、ロシアによるウクライナ軍事侵攻、米中問題などに端を発する経済安全保障などの地政学リスクの存在、不安定なエネルギー需給や円安の急速な進行に伴う物価高など、憂慮すべきことが数多くあります。また、気候変動や脱炭素社会に向けたカーボンニュートラルへの対応も喫緊の課題であり、グローバル基準での着実な実行が求められています。
一方、個人の生活様式やビジネススタイルは大きく変化しつつあり、価値観の多様化を前提に対応していくことも大変重要なテーマになってきています。このように企業経営を取り巻く環境は振れ幅が極めて大きく、また、従来とは比較にならないスピードで変化しており、少し先を見た「機を見るに敏」なる行動が求められています。
当社はこうした環境のもと、2022年に「KDDI VISION 2030」として、「『つなぐチカラ』を進化させ、誰もが思いを実現できる社会をつくる。」を新たに掲げ、長期的な視点に立ち、KDDIグループの総力を結集し、社会の課題解決および持続的成長に貢献していくことを宣言いたしました。また、これを踏まえ、2022年から3カ年の中期経営戦略として、企業価値の向上と社会の持続的成長の循環を目指す「サステナビリティー経営」と、その実行を支える事業戦略の「サテライトグロース戦略」と「経営基盤強化」を公表しています。
まず「サテライトグロース戦略」です。通信を核として、注力領域(デジタルトランスフォーメーション=DX、金融、エネルギー、ライフトランスフォーメーション、地域共創)からなる成長領域の拡大を「サテライトグロース戦略」と位置付け、推進しています。通信事業においては、2022年7月の通信障害の教訓を踏まえ、社会インフラを支え“安定したサービス提供”を行うべく、人工知能(AI)やスマート監視による運用の高度化・仮想化を進めてまいります。そして、お客さまの多様なニーズに応えるべく、5Gエリアの拡充はもちろんのこと、衛星通信「Starlink」など新しい技術を活用したネットワークの整備、5Gの特性を生かしたお客さまの体験価値向上に引き続き取り組んでまいります。
注力領域においては、お客さま企業のDX加速による法人事業の成長、エンベデッドファイナンス(組み込み型金融)の推進による金融事業の成長、再生エネルギービジネスの加速によるエネルギー事業の成長を目指していきます。また、次なる成長に向けた取り組みとして、行政やパートナー企業さまと連携したメタバースやデジタルツインの取り組みを通じ、未来社会の新たな体験価値創造に貢献していきます。通信の「つなぐチカラ」を進化させ、あらゆるシーンに通信を溶け込ませることによって、人々の生活・体験・行動に、企業行動にイノベーションを起こせるよう、パートナー企業さまとの共創を一層進めてまいります。
次に「経営基盤強化」です。当社の事業戦略を着実に実行していくためには、社員一人一人がプロフェッショナル化し、適材適所で活躍できる環境を整備することが不可欠です。これまで人財戦略として推進してきました三位一体改革は、「KDDI版ジョブ型人事制度の導入」から「多様な人財の活躍と組織の成長・D&I(ダイバーシティー&インクルージョン)の実現」へ、「社内DXの推進」から「DX人財育成の拡大とリスキル教育への対応」へ、「新働き方宣言」から「ニューノーマル時代の新しい働き方の浸透」へと次のフェーズへ進化させます。当社はこの取り組みを全力で支援し、人財ファースト企業への変革をより一層推進してまいります。
2023年は、現中期経営戦略の2年目となります。引き続き環境変化が激しい中、機敏な先読みと未来への投資により、「企業価値の向上」と「社会の持続的成長」の好循環を目指すサステナビリティー経営を実践し、お客さまに信頼いただける5Gネットワークのもと、今までの常識にとらわれないワクワクするサービスをご提案し続けてまいります。