2023年は「V字回復」の年に–ソフトバンク・宮川社長兼CEO
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2023年に向けたIT企業のトップメッセージや年頭所感を紹介する。
ソフトバンク 代表取締役 社長執行役員 兼 CEO 宮川潤一氏
2023年は「V字回復」の年にしたいと考えています。PayPayの子会社化に伴う再測定益を除いて、2022年度の連結営業利益から2023年度には反転させたいということです。これまで携帯電話の料金値下げの影響を大きく受けてきましたが、今年はどれだけ攻めの姿勢を貫けるかが重要です。今年は勝負の年であり、グループ一丸となって 「V字回復」に取り組んでいきます。
202年を振り返ると、厳しい事業環境の中でも明るい話題が幾つもありました。スマートフォンの純増数の回復トレンド、第5世代移動体通信システム(5G)の人口カバー率90%超の達成、MECやネットワークスライシングなどを低コストで実現する「SRv6 MUP」の開発の成功、「PayPay」の登録ユーザー数の5000万人突破、SBペイメントサービス・SB C&S・PayPayの3社によるマルチ決済端末の共同展開、中小企業のデジタル変革(DX)推進を支援するアスクルとの新事業「ビズらく」の開始、健康相談やオンライン診療利用支援などを行うヘルスケアテクノロジーズの「HELPO」の個人向けサービスの提供開始などが挙げられます。
また、人流・気象データなどを活用した小売・飲食業界向け人工知能(AI)需要予測サービス「サキミル」の提供、メタバースプラットフォーム「ZEPETO(ゼペット)」におけるソフトバンクショップの開設、慶應義塾大学SFC研究所と立ち上げた次世代情報インフラを研究する「デジタルツイン・キャンパス ラボ」の始動など、デジタルの社会実装に向けた新たな挑戦も始めています。こうした多角的な取り組みにより、グループシナジーの創出とデジタルの社会実装の実現に向けて一歩ずつ前進を続けています。
PayPayの子会社化に伴い、当社の事業セグメントに「金融」を追加したことは大きな転機となるでしょう。デジタルの社会実装で社会変革を目指す当社にとって、金融事業は大きな武器になると確信しています。PayPayやSBペイメントサービス、PayPay証券などのグループの金融サービスのベクトルを合わせることで、通信・インターネットに次ぐ新たな事業の柱に成長させていきます。
ウクライナ情勢や新型コロナウイルス感染症の影響の長期化などにより、世界情勢と事業環境が大きく変動し、将来予測が一層難しい時代となりました。このような変化を目の当たりにし、どのような環境下でもサステナブルに通信インフラを維持して運用することの重要性と責務を再認識しました。また、電気料金の値上がりは、電力の消費量が多い当社のような電気通信事業者にとって大きな影響を受ける出来事であり、サプライチェーン全体のリスク管理の重要性を改めて実感しています。
一方、社会のあらゆる分野でデジタル化・DXの流れがより加速しており、スマートフォンを通じた日常生活の利便性向上や、事業成長・ビジネスモデル構築のためのデータの利用や活用、自然災害や事故などのリスクに対する備えや予防などのニーズが高まっています。こうした社会ニーズを取り込むための事業展開や、関連するテクノロジーの研究開発を引き続き推進していきます。
人生にも会社の業績にも、良い時と悪い時があります。苦しい時も順調な時も種をまき続け、常に新たなチャンスを狙っていくことが重要です。今年も時の流れを適切に読み、それを正しく理解し、いつか芽吹くと信じて未来へ向けた種まきを続けます。そして常に時をつくる側に立ちながら、デジタルの社会実装に挑戦し、世界で最も必要とされる会社となれるよう努力していきます。