「アクションに結び付くインテリジェンス」–タブロー幹部が語る、進化する分析とBIの今後

今回は「「アクションに結び付くインテリジェンス」–タブロー幹部が語る、進化する分析とBIの今後」についてご紹介します。

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 セールスフォース・ジャパンは1月18日、同社傘下にあるTableau事業の記者説明会を開催した。米SalesforceでTableau担当シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのPedro Arellano氏がビジネスインテリジェンス(BI)/アナリティクス市場の現状、新機能を含めた製品戦略およびロードマップなどを明らかにした。

 Arellano氏は、Googleで「Looker」のプロダクトマネジメントを担当し、MicroStrategyでは製品ディレクターを務めてきた経歴を持つ。プロダクトマネジメント、プロダクトマーケティング、コンサルティング、カスタマーサポート、Go to Market(市場開拓)などの職務を歴任し、データとアナリティクスに関する幅広い専門知識を有している。Tableauでは製品のビジョンや戦略、事業成長を推進する責任を担っている。

 同氏は会見で「今こそデータカルチャーを構築するときだ」と言い、労働力不足や世界規模のインフレ、新型コロナウイルス感染症の世界的流行、サプライチェーン(供給網)の崩壊、エネルギー危機など、「課題だらけの海原を進んでいくためにはコンパスが必要で、その役割を担うのがアナリティクスである」と強調する。

 ただ、同社が実施した調査によると、83%の最高経営責任者(CEO)が組織をよりデータドリブンにしたいと望んでいる一方、自分が所属する組織がデータドリブンな組織だと考える従業員は30%にとどまるという。

 そこには、「信頼性と正確性の欠如」「活用の行き詰まり」「アクションにつながらないレポート」という3つの課題がある、とArellano氏は指摘する。平均的な企業には約1000個のアプリが存在し、そこから発生する膨大なデータを扱いきれていない。従業員(ビジネスユーザー)の30%しかデータを活用していないという。また、データから導き出されたインサイト(洞察)がアクションにつながらないケースも多いと指摘。

 そうした背景から、同氏は「モダンBIはビジネスユーザーの要求を満たしていない」と同市場の現状を説明する。これに対して、Tableauでは「データの未来に向けた新しいエクスペリエンス」が必要であるとの方向性を示す。

 Arellano氏は「ビジネスソフトウェアに期待されるのは、コンシューマーライクなエクスペリエンス」であると説明し、「Slack」との統合や埋め込み型の分析、データドリブンアラート、データストーリー、データ変化レーダーなど、そうしたユーザー体験を実現するための機能強化を発表しているという。

 「現状のBIツールでは、データの価値を引き出すことが困難な人々がいる。ビジネスユーザーはデータを欲しているが、必ずしも探索したり分析したりしたいわけではない。あくまで“データコンシューマー”としてアクションにつながるインサイトを求めている。われわれは、データコンシューマーのための次世代型のアナリティクスエクスペリエンスを向上させようとしている」(同氏)

 もう1つの戦略の柱が「データの土台」になる。単一の正しい情報源として完全で信頼性の高いデータのビューを提供するためのデータ基盤として位置付けられるのが新機能の「Salesforce
Customer Data Cloud, powered by Tableau」になる。Arellano氏によると、Tableauのデータエンジンを搭載することで、「顧客データを単一の正しい情報源に統合することができたら」「その単一の正しい情報源がリアルタイムだったら」「リアルタイムデータを瞬時にインサイトに変えることができたら」といった要望に応えられるという。

 ただ、多くのビジネスユーザーがインサイトを受け取った後、アクションにつなげられていないという。「せっかく手に入れたインサイトも、そこからアウトカムを生み出すことができなければ価値を認めることができない」とArellano氏は語る。

 課題はインサイトとアクションの間にあるギャップで、それを埋めるにはどうすればいいか。同氏は「ビジネスユーザーにインサイトを届けるだけでなく、アクションを起こすことができる仕組みが必要だ」と言い、Tableauではアクションやワークフロー自動化のためのフレームワークなど、さまざまな機能群を提供していると強調した。

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