脅威に脆弱な資産の可視化が急務に–日本の事業展開を加速するArmis

今回は「脅威に脆弱な資産の可視化が急務に–日本の事業展開を加速するArmis」についてご紹介します。

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 サイバーセキュリティ企業のArmisの幹部が多数来日し、1月上旬に都内でパートナー向けカンファレンスを開いて、日本で事業展開を加速すると表明した。最高収益責任者(CRO)のBrian Gumbel氏らに、日本市場での展望や取り組みなどを聞いた。

 Armisは、2015年にイスラエルで創業し、現在は米国カリフォルニア州パロアルトに本拠を置くサイバーセキュリティ業界の新興企業の1つ。ネットワーク接続されているデバイスなどの資産をエージェントレスで検出、分類し、セキュリティ状態などを管理するソリューションを展開しており、既に世界全体で約35億台のデバイスが同社のソリューションにより管理されているとする。

 PCやサーバーなどのIT機器だけでなく、事務機や医療機器、産業制御システムなど業界特有の機器も検出可能という網羅性が大きな特徴で、デバイス資産の把握と管理の強化を課題とするさまざまな業界の組織から引き合いが増えているという。

 資産管理ソリューションは、数あるIT製品の中でも古くから存在し、多くの企業や組織が既に導入、運用している。それでも同社のような新興企業が注目されるのは、管理から漏れているデバイス資産がサイバー攻撃などに狙われ、侵害によってセキュリティインシデントが多発していることが背景にある。

 Gumbel氏は、「2021年に石油パイプライン大手のColonial Pipelineに対する攻撃で社会インフラが大きく混乱した出来事は、日本企業にも大きな印象を与えたようだ。直近でも日本の複数の医療機関がランサムウェアによる深刻な被害を受けており、日本企業の皆さんが危機感を高めていることがよく分かった」と話す。

 かつてのデバイス資産は、システムや用途ごとに独立したネットワーク環境で運用されることが一般的であり、ある程度の規模までなら、人海戦術で資産の存在を把握して管理することがそれほど難しくなかっただろう。しかし現在では、システムや用途が多様化、高度化し、運用性の向上や効率化などの点からもネットワーク接続されるケースが増え、同一のネットワーク(論理的に独立構成の場合も多いが)につながっていることも珍しくなくなりつつある。

 Gumbel氏は、「われわれのソリューションは、IT(情報系システム)やOT(制御系システム)、IoTを含め組織内に存在するあらゆるデバイス資産の存在を『Google Map』のように可視化する。資産を特定してセキュリティ状況を把握し、アタックサーフェス(攻撃対象領域)を管理できるようにする」と説明する。

 グローバルセールスなどを担当するシニアバイスプレジデントのAlex Mosher氏は、「日本企業はSaaSのような新しいテクノロジーでもしっかり理解した上でいち早く取り入れており、世界的にはセキュリティ対策の成熟度が高い市場といえる。日本特有の(技術仕様や運用といった)デバイス環境もあるが、(世界的に)普及しているテクノロジーの採用も進み、それらの資産を包括的に保護する必要性を強く意識され、われわれのソリューションに関心を持たれている」と述べる。

 Gumbel氏は、特に日本から引き合いが多い業種として、ヘルスケア、製造、流通、金融、自動車、公共、交通を挙げる。「日本は当社のビジネスで最速の成長ペースとなっている市場の1つ。あらゆる業界から問い合わせがある。サイバーの脅威を意識し、リスク管理を高度化させようとしている」(同氏)

 同社は、こうした需要の高まりを受けて日本市場での事業を拡大させる。ワールドワイドチャネル担当バイスプレジデントのTim Mackie氏は、「販売パートナーを皮切りにシステムインテグレーション(SI)パートナーや付加価値パートナー(Armis製品に独自サービスを付加するパートナー)との新しい関係を広げていく」と話す。

 既に日本向けのサービス提供基盤としてAmazon Web Service(AWS)の東京リージョンを採用し、国内での情報管理を希望する顧客に対応可能とした。また、2023年8月に日本語版ユーザーインターフェースの提供も予定する。Gumbel氏によれば、2023年中に日本法人(Armis Japan)の人員規模を数倍に増やし、同年中に人員の拡大規模を上回る収益の達成を目標に掲げる。3年後にグローバル収益の15%を日本市場が占める状況にしたいという。

 今回来日した各氏の経歴を聞くと、いずれもArmis入社以前は、日本市場でもよく知られたIT資産管理やモバイル端末管理の製品ベンダー、サイバーセキュリティ企業で要職を歴任していた。「(Armisとしては新しい立場だが)古くから知る日本の友人のような皆さん(パートナー)との関係を楽しみにしている」(Gumbel氏)

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