KDDI、O-RAN準拠の5G仮想化基地局を商用展開
今回は「KDDI、O-RAN準拠の5G仮想化基地局を商用展開」についてご紹介します。
関連ワード (ITインフラ等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
KDDIは1月24日、サムスン電子と富士通の協力の下、大阪市内でO-RAN標準インターフェース準拠のオープン化した5G仮想化基地局の商用展開を開始した。
オープン化した5G仮想化基地局の導入は、機器調達の選択肢を拡大し、高性能でコスト優位なインフラの構築に寄与すると期待されている。
O-RANは、O-RAN Allianceで策定された異なるベンダーの機器と接続が可能な仕様。5Gネットワークインフラの構築では、従来にも増してシステムの高度化、迅速な展開、コスト低減が重要な要素となっており、KDDIではO-RAN標準に準拠したオープンインターフェースを実装した仮想化基地局の開発を進めている。
同基地局は、2022年2月に商用通信に成功したO-RAN標準に準拠した基地局にソフトウェア更新を行ったもの。サムスン電子の無線制御装置(DU:Distributed Unit、CU:Centralized Unit)と富士通の無線装置(MMU:Massive MIMO Unit)をオープンインターフェースで相互接続している。
ソフトウェアの更新により、既存の4G基地局と連携した5G NSA方式や、MU-MIMO(Multi-User MIMO)など、専用機器を用いた従来の基地局で実現していた機能にも対応する。これにより、既存の5G NSA対応のスマートフォンのユーザーにも、今までと変わらない快適な通信環境を提供できる。なお、O-RAN準拠の複数ベンダー構成による基地局においてMU-MIMOの実現は世界初とのこと。
無線制御装置は汎用サーバー上に完全仮想化された基地局ソフトウェアを搭載してネットワーク機能を実現している。無線装置は高効率かつ広帯域の電力増幅技術の活用により小型軽量化と低消費電力化を両立している。中核機能がソフトウェアとして実装されているため、ネットワークリソースの柔軟かつ効率的な管理が可能だ。
KDDIは同基地局の運用開始時に設定作業を自動化(Zero Touch Provisioning)するシステムを構築し、異なるベンダーで構成されたサーバーや仮想化プラットフォームの設定作業を自動化した。今後、大阪府大阪市内での運用による知見を基に2024年には同システムの適用範囲を広げ、同基地局の本格展開を進める。