アプリケーションのためのプラットフォームに全集中–F5のドノCEO
今回は「アプリケーションのためのプラットフォームに全集中–F5のドノCEO」についてご紹介します。
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
F5は、創業25周年を迎えた2022年に社名を「F5 Networks」から「F5」に改称し、ネットワーク主体からネットワークを含めたアプリケーションプラットフォームベンダーへのリブランディングを図った。最高経営責任者(CEO)のFrancois Locoh-Donou(フランソワ・ロコー・ドノ)氏に、改めてリブランディングの狙いや成長分野に向けた戦略を聞いた。
–改めてリブランディングの狙いを教えてください。
当社が創業した25年前からしばらくはネットワーク機器のベンダーだったわけですが、十数年の間はアプリケーション領域に取り組み、この5年間で「F5」となるための変革を推進してきました。ネットワークはアプリケーションやクラウドと密接に関係するようになり、われわれはどのようなアプリケーションがいかなる場所に存在しても、お客さまが安全かつ安心してアプリケーションを展開できるよう支援する企業となるべく、ネットワーク専業からアプリケーションを担う「F5」への変革を進めてきたのです。
実際に、かつては売り上げの多くをハードウェア製品が占めていましたが、アプリケーションを支えるソフトウェア製品ポートフォリオを拡充してきたことで、2022年は当社の歴史において、初めてソフトウェア製品の売り上げ構成比が50%を超えました。現在では、データセンターのみならずパブリッククラウドやプライベートクラウド、エッジに至るまでどのようなアプリケーション、APIでもお客さまが容易に展開できるプラットフォームを提供しています。
セキュリティにも長年多大な投資を続けています。2022年はセキュリティの売り上げが10億ドル以上になりました。世界には約1200の主要なセキュリティベンダーが存在しますが、売上高が10億ドルを超えるベンダーはそのうちの1.5%、20社ほどであり、F5はその1社として、大手セキュリティベンダーの立ち位置にもいます。このような変革の取り組みが形になり、2022年に「F5」へリブランディングしたわけです。お客さまが新しいF5を認識してくれることが大切だと考えています。
しかしながら、お客さまにとってアプリケーションの展開は、まだまだ複雑かつ時間を要する課題であり続けていますし、展開する環境も広がり、複雑性が増す一方です。そのためにわれわれは、ハードウェアからソフトウェアにソリューションを広げていますが、今後さらに重要になるのがSaaSです。このためソリューションを「F5 Distributed Cloud Services」(DCS)を中心として一新し、SaaSとして提供することで、セキュリティを担保しながら自動化を通じて、アプリケーションの展開の容易にしていきます。これは当社の戦略において重要な点になります。
–リブランディングによるビジネスは何がけん引役なのでしょうか。
成長のドライバーは3つです。1つはアプリケーションの数やトラフィックの増加です。従来のアプリケーションのみならず、モダンアプリケーションやコンテナー、マイクロサービスによるアプリケーションも今後増加が見込まれ、それがF5の成長に直結します。
2つ目はセキュリティです。サイバー攻撃の高度化が予想され、特にレイヤー7のアプリケーション層に対する分散型サービス妨害(DDoS)攻撃の激化が懸念されます。実際に日本でお会いしたお客さまもアプリケーション層へのDDoS攻撃を課題に挙げていました。ここでは、先端の防御技術に10億ドル以上を投じており(2019年にShape Securityを買収している)、人工知能(AI)を活用してこの種の脅威に対抗しています。特に認証情報を悪用した不正ログインなどの攻撃を高度に防御することは難しく、現時点でこうしたソリューションは他には無いことからユニークです。われわれ毎日20億件もの不正ログインをブロックしています。
3つ目は通信業界における変化です。5Gへの移行が本格的に始まり、通信事業者にとってその対応が課題になっています。ここに対してもF5は、ユニークなソリューションを提供しています。
–世界的な景気後退が生じています。影響をどう見ていますか。
テクノロジー業界を見てもITへの支出が減りつつあります。この動向を注視していますが、アプリケーションやそのトラフィックは基本的に拡大傾向にありますから、企業のIT支出は必ず回復すると予想しています。現在は多くの企業が彼らに顧客にデジタルの体験を提供しています。その営みが抑制することはなく、今後も成長します。IT支出の抑制は短期的であり、中長期的には特にアプリケーションに対する投資が拡大していくでしょう。