「Snowflake Data Superheroes」選出の3人がデータ活用事例を披露

今回は「「Snowflake Data Superheroes」選出の3人がデータ活用事例を披露」についてご紹介します。

関連ワード (ビッグデータ等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 Snowflakeは3月24日、「Snowflake Data Superheroes」に選出された同社のユーザー企業3社を集め、各社のデータ活用事例を報道機関向けに説明した。

 同社 マーケティング本部 シニアプロダクトマーケティングマネージャー兼エヴァンジェリストのKT氏によると、Snowflake Data Superheroesとは、同社ユーザーコミュニティーのメンバーに向けて登壇、ブログ、動画などを通して、知見やベストプラクティスを共有することで、コミュニティーに貢献したメンバーを選出するプログラム。2023年は世界18カ国から72人が選出され、日本からは10人が選ばれた。

 今回はその中から、GENDA プロダクト開発部 データエンジニアの小宮山紘平氏、ノバセル システム開発部 エンジニアの山中雄生氏、truestar 代表取締役社長の藤俊久仁氏の3人が登壇した。

 GENDAは、主力事業として「GiGO」ブランドを主としたアミューズメント施設などを約250店舗運営しているほか、アミューズメントマシンレンタル、オンラインクレーンゲーム、セールスプロモーション、キャラクターライセンスのビジネスを展開している。

 小宮山氏は「アミューズメント業界の発展の鍵はDXにある」と話す。同氏によると、アミューズメント業界はこれまで「100円玉を数えるビジネス」と呼ばれ、ユーザー個人とプレイ履歴をひも付ける方法やユーザー個人に合わせたサービスを影響する仕組みがなく、また紙とペンを使った非効率な運用が多く、必要なデータにアクセスするのにも時間を要する状況だったという。

 そこで同社は、アミューズメント施設運用におけるDX推進の一環として会員アプリなどを導入。プレイ履歴の蓄積やクーポン券の提供、キャンペーン情報の告知などが可能になったほか、運用の効率化や定常作業の工数削減にもつなげている。

 小宮山氏が所属するプロダクト開発部では、「エンターテインメントをテクノロジーで支える」をミッションとしており、2022年にデータ基盤を刷新した。従来は「Excel」を中心にデータ活用を行っていたが、データの集計に時間がかかる、データのサイロ化が発生しているなどの課題があった。

 新たなデータ基盤では、店舗の売り上げやPOSデータ、アプリデータをクラウド型データプラットフォーム「Snowflake」に集約し、ダッシュボードツール「Redash」で参照するようにした。これによって必要なデータのサイロ化を解消し、集計処理を高速化した。「Excelではできなかった複雑な集計も可能になった」と小宮山氏は話す。

 また、アミューズメント施設の運営に必要なデータを閲覧するツールを社内で開発し、将来は全ての店舗運営をこのツールに統合する予定だという。SnowflakeをデータソースとしてMLOpsを構築し、オンラインクレーンゲームへの機械学習(ML)の導入も検討しているとのこと。

 Snowflakeを導入した背景としては、Amazon Web Services(AWS)をサービスインフラとしている同社のシステム環境と連携しやすかった点を挙げる。ほかにも、他社サービスと比べて運用コストがかからない点、料金体系が分かりやすい点などを強調した。「データシェアリング機能も自社の事業構造と相性が良さそう」(小宮山氏)だと判断した。

 今後は、アミューズメント施設運営以外へのSnowflakeの横展開やグループ会社間でのデータコラボレーションを計画しているという。

 ノバセルは、テレビCMの効果を可視化し、運用することが可能にする「運用型テレビCM」を主力事業としている。2017年にラクスルの新規事業として始まり、2020年にテレビCMの効果可視化ツール「ノバセルアナリティクス」を、2022年に競合のテレビCM分析ツール「ノバセルトレンド」を開始している。2023年には超高速定量調査サービス「ノビシロ」をローンチした。

 データ基盤の導入について、山中氏は「ビジネスの拡大に必要だった」と振り返る。同社はデータを中核としたビジネスを展開しているため、「データ基盤は商品を作るための工場」であり、同社のビジネスを支える重要な役割を担っている。

 データ基盤を導入する以前、顧客からもらった大規模データや集計済みの分析データをデータベースで維持管理していたが、ストレージコストが非常に高く、アドホック分析時にはパフォーマンスが低下し、アプリケーションと分析業務が互いに影響を及ぼす危険な状態にあったという。

 大規模データをデータレイクに移すことでストレージコストを8分の1に削減し、分析済みデータをデータウェアハウスに移すことでデータベースの負荷を軽減し分析処理のパフォーマンスを向上させた。

 ノバセルトレンドでは、数千万行に及ぶ大規模データの分析・集計や外部データとの連携、サービス以外での外部データの活用が必要だった。この点についても、ETLツール「trocco」の導入によってエンジニア工数をほぼゼロにしたり、Snowflake上で分析した結果のみをデータベースに格納することで毎日全データの分析を10分程度で完了したりできるようになった。

 山中氏は、データマネジメント領域について「初めから要件が決まっていることもあれば、決まっていないものもある」「部分的な活用から始まり、やりたいことが増えてくる」といった特徴を挙げ、「素早く対応できるように、いかにツールや組織、システムを整えるかが成功の鍵になる」と語った。

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