auカブコム証券、開発環境の構築作業を自動化–迅速な機能開発が可能に
今回は「auカブコム証券、開発環境の構築作業を自動化–迅速な機能開発が可能に」についてご紹介します。
関連ワード (CIO/経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
ウルシステムズは、auカブコム証券の開発環境の構築作業を自動化し、迅速な機能開発を可能にした。ウルシステムズが11月26日に発表した。
auカブコム証券は三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)とKDDIのジョイントベンチャーとして多様なサービスを提供している。同社はシステムの内製化を推進しており、安全性と品質の確保、そしてビジネスニーズへの迅速な対応を目指し、先進技術の導入や開発業務の改善・効率化を継続的に進めている。
開発効率化の一環として、同社は開発環境の構築作業の効率化に着手した。同社の基幹業務システムは緊密に連携するモノリシックな構成をとっており、機能追加や変更の際にはシステム全体を再現した開発環境が必要だった。構成要素が多く、手作業が大半を占める開発環境の構築はインフラ管理チームにとって大きな負担だった。同チームは多岐にわたる業務を担当しており、開発チームの要望に即座に対応できない点も課題だった。ビジネスニーズや法制度への対応を背景に開発プロジェクトが急増する中、構築手順を抜本的に見直し、開発環境を短期間で調達する仕組みを整える必要があった。
ウルシステムズは、auカブコム証券から技術支援を要請されたことを受け、2ステップで開発環境の構築作業を効率化した。まず、基幹業務システムを丹念に分析し、各機能が動作するために必要な最小限の構成を明らかにした。環境構築の対象を絞り込むことで、作業工数を2週間から1日に短縮した。また、手順を明文化することで、開発チームがインフラ管理チームに頼らずに環境を構築できるようにした。次に、環境構築の自動化を進めた。環境構築の手順を一つ一つ解明し、ブラックボックス化・形骸化しているものを除去して、シンプルかつ最短経路で各構成要素を再現する手順を確立した。利用頻度の高い構成についてはInfrastructure as Code(IaC)ツールを用いて手順をコード化し、構築作業を完全自動化した。
新しい仕組みは2023年6月にリリースされ、安定的に稼働している。従来は開発環境の追加が困難だったため、同時並行できる開発プロジェクトの数に制約があった。IaCを活用して環境構築の負荷を大幅に軽減したことで、開発プロジェクトの数を増やし、サービス強化のスピードを高めることに成功した。また、変更対象機能に合わせて必要最小限の環境を用意することで、インフラコストを大幅に削減した。属人化の排除や安全性の向上も実現しているという。