ミドルエイジのデジタル力底上げを目指す–BBT大学、短期集中のデジタル人材育成プログラム
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ビジネス・ブレークスルー(BBT)が運営するビジネス・ブレークスルー大学(BBT大学)では、短期間でデジタルスキルを身に付ける「デジタルファーストキャンプ」を開講している。デジタルスキルに不安がある社会人や会社のデジタル変革(DX)をリードできる人材にステップアップしたい、革新的なデジタルサービスを構想したいという社会人向けのプログラムだ。
ここでは、同プログラムを開設し、講師を務めるBBT大学 経営学部 デジタルビジネスデザイン学科 学科長の小林慎和教授と受講生、修了生の3人にデジタルファーストキャンプの設立への思いやプログラムでの学びについて話を聞いた。
同プログラムでは、3カ月の間に4つの課題を達成し、デジタル変革のリーダーを目指す。全てオンラインで完結するプログラムで、小林教授ら講師によるディスカッションベースのライブ講座とBBT大学が運営する「Air Campus」からデジタル関連の動画講座を視聴することで知識を吸収する。
小林教授は、同プログラムを立ち上げた背景として「デジタル人材が不足していることや中小企業のDXが遅れているといった状況の中、私自身がデジタル化の遅れに課題意識を持っていた」と説明。
受講者の平均年齢は48~49歳だという。同氏は「40~50代でビジネスの面で優秀でも、デジタルの知識は全くないという人が周囲に多くいた。特にミドルエイジのデジタル力の底上げをする必要があると思っている。デジタル力の向上にはプログラミングを書くなど、高度な技術を身に付けることは必須ではないが、その事実を知るミドルエイジの人が少ない。日本のデジタル力を底上げするため、デジタルファーストキャンプを設立した」と話す。
また、BBTでは大学と大学院を設けているが、大学院が2年制で大学が4年制であるため、タイムパフォーマンスを上げるために3カ月程度の短期コースを用意したいという思いもあったという。
小林教授は、デジタル変革リーダーに求められる能力として「デジタル理解力」「プロトタイピング」「デジタルコミュニケーション」「デジタルチームビルディング」「デジタルビジネスデザイン」――の5つを挙げる。同プログラムではこれらの能力を身に付けるための授業や実践が行われる。
「デジタル理解力」は、最先端のデジタルをキャッチアップする力のことだという。例えば、「Chat GPT」など、さまざまな新しいサービスを発掘して使うことで、利便性の高いサービスを取捨選択するといったデジタルツールのキャッチアップ力を指す。
「プロトタイピング」では、例えばノーコードツールを活用してランディングページ(LP)のプロトタイピングを戦略的で簡単に、かつ充実したデザインにするかを実践の中で習得する。「デジタルコミュニケーション」では、「Zoom」や「Slack」などのツールだけでコミュニケーションや自分の考えを発信する能力を指す。
「デジタルチームビルディング」は、Slackなどのデジタルツールを駆使し、うまく情報共有ができる能力を備える。これら4つの能力を底上げした上で、新たなビジネスを構想するためにデジタルをどのように駆使するのかというのが「デジタルビジネスデザイン」のスキルになる。
これら5つのスキルを講座内でインプット。実践では習得したスキルをアウトプットする課題が3週間おきに出される。具体的には、LPやウェブサイト、ECサイト、PR動画の構築を通して一定レベルのデザインのものに仕上げるスキルとスピードを身に付ける。また、大量のデータから特定のデータを自動で抽出するスクレイピングを活用し、データの収集処理を行う課題や、短期集中でデジタルビジネスを構想し、プレゼンテーションを行う課題も出題される。
小林教授は、これらの課題をこなし3カ月後の修了時には、完璧でなくてもデジタル変革リーダーの歩み方が身に付くことを期待しているという。「まずはデジタルに対する苦手意識をなくすことが重要。プログラムでは、今後の業務の中でどのようにデジタルツールを活用するかという考え方を身に付ける。ほかにも、エンジニアにシステムの作成を依頼した際に、デジタルに対する理解があればコミュニケーションの質や濃度が上がる」と、同プログラムを受講する意義を述べた。
ファーストキャンプの今後の展開については、「40~50代でデジタルに対して苦手意識があるものの、スキルを身に付けなければいけないと感じている人は1000万人程度いると思っている。それくらい受講者も広げていきたい。また、デジタルファーストキャンプを修了した人から『セカンドキャンプないですか?』と聞かれることがある。応用編という形で、プログラミングやITをさらに深掘りした内容を考えている」と明かした。