おかやまコープ、AI活用した発注で年間8600時間の作業時間削減–廃棄ロスも改善
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生活協同組合おかやまコープは、シノプスの需要予測型自動発注サービス「sinops-CLOUD」を全店舗に導入した。2月6日にシノプスが発表した。
今回の導入により、日配カテゴリーにおける発注の作業時間が1店舗あたり月間約65.8時間削減され、全店では年間約8680時間の削減が見込まれる。日配カテゴリーとは、毎日店舗に配送される食品のこと。卵、パン、牛乳・乳製品、加工肉などが含まれる。また、値引き・廃棄ロス率は各商品カテゴリーで10〜25%改善したという。在庫金額は畜肉加工品で25%、日配全体で30%の大幅な改善が予測され、当初目標の約4倍の売上・粗利改善を達成する見込みだという。
特に効果が顕著だったのはパンカテゴリーで、在庫金額を14.0%、値引き・廃棄ロス率を17.5%改善したとのこと。パンの賞味期限は製造日から3〜5日程度と短く、売れ残ったパンを翌日に持ち越すと品質が低下するため、当日中に売り切ることを前提とするスーパーも多い。しかし閉店の近づく夕方17時頃から18時のピークタイムには商品を並べておく必要があり、非常に在庫のバランスが難しいカテゴリーとなっているという。
sinops-CLOUDは、需要予測・自動発注を軸としたクラウドサービスで、必要な機能を必要な時に低価格で導入できる。リアルタイム在庫、客数予測、自動発注サービスのほか、AI値引きなどさまざまな機能が提供されている。今回導入されたのは、sinops-CLOUDのリアルタイム在庫、客数予測、日配の各サービスと、棚割メンテナンス、発注端末アプリの「sinops‐Pad/Got」になる。
おかやまコープでは、賞味期限の長いグロサリーカテゴリーの商品発注には既存のシステムを利用している。しかし賞味期限が短く需要変動の大きい日配カテゴリーの発注・在庫管理においては、従来の方法では需要変動に柔軟に対応できず、欠品や廃棄ロスが発生しやすい状況だったという。
そこで、日配カテゴリーにも対応可能な、需要予測型による自動発注システムの導入を検討。その中でsinops-CLOUDの商品カテゴリー単位での導入が可能な点や、同業態での導入実績を高く評価し、一部店舗で実証実験を開始した。その結果、発注時間の大幅な削減と値引き・廃棄ロス率の改善が確認されたことから、全店で導入を決定した。
おかやまコープでは、今後もデータを定期的に収集・分析することでsinops-CLOUDの導入効果を高め、作業効率や売上・利益率の向上を目指していく。