EY新日本、工事契約の監査手続きに「説明可能なAI」を利用開始

今回は「EY新日本、工事契約の監査手続きに「説明可能なAI」を利用開始」についてご紹介します。

関連ワード (ソフトウェア等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 EY新日本有限責任監査法人(EY新日本)は、建設業など請負業の監査におけるAI/機械学習を用いた工事契約の進捗(ちょく)度予測に、説明可能なAI(eXplainable AI、XAI)を用いた分析機能を追加して利用を始めた。

 この分析機能を利用することで、AI/機械学習が異常と判断した工事契約に対して、特徴量(工事種類、担当支店、工期など)をより深く分析できる。また、工事契約の特徴量に関する監査人の洞察を提供し、監査先企業におけるガバナンス強化にも貢献できるとする。

 XAIは、アルゴリズムが導き出した予測や推定結果について、そこに至る計算過程を人間のユーザーが理解して、中身を説明可能にするための技術や手法のこと。計算過程にはどういう特徴量(予測の手がかりとなる数値)があるか、また、AIが判断基準とする「重みづけ」をどこに定めたのかなどが分かる。

 EY新日本は、進捗度に基づき一定期間にわたり収益を認識する方法(従来の工事進行基準)を適用している工事契約に関する監査手続きにおいて、AI/機械学習を用いて進捗度を予測し、不自然な進捗度の推移を検知する「進捗度異常検知ツール」を開発・導入している。

 今回は進捗度異常検知ツールにXAIの技術を用いた分析機能を追加し、AIのブラックボックス問題に対応できるようになった。具体的には、各工事契約において「何の特徴量が、どの程度推定値の算定に影響しているか」を把握できる。重要な特徴量が類似するほかの工事契約をXAIが提示する。これにより監査人は、全体傾向を理解した上でのリスクにフォーカスしたアプローチをとることができるという。

 今後EY新日本は、「進捗度異常検知ツール」に関する異常検知機能の精度向上をめざし、衛星データなどオープンデータの活用を進めるほか、建設業以外の業種に属する監査先企業への「進捗度異常検知ツール」の展開に備え、新たな機能の開発を継続していく。

 また、財務諸表レベルの異常検知でリスクの高い会社や勘定科目を特定した上で、取り引きレベルの異常検知をシームレスに連携させる取り組みを進め、効率的かつ効果的なデータ分析の実現をめざす。

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