SAP、「IBM Watson」をSAPソリューションに搭載–顧客の生産性向上図る
今回は「SAP、「IBM Watson」をSAPソリューションに搭載–顧客の生産性向上図る」についてご紹介します。
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SAPとIBMは米国時間5月2日、「IBM Watson」の機能をSAPのソリューションに組み込むと発表した。これにより、イノベーションを加速させる自動化やAI主導の洞察を提供するとともに、SAPソリューションのポートフォリオ全体で、より効率的かつ有効なユーザー体験(UX)を創出するとしている。
SAPはIBM Watsonの機能を活用して、SAPのクラウドソリューションの一元的なエントリーポイントを提供する「SAP Start」のデジタルアシスタントを強化する。SAP Startによりユーザーは、クラウド統合基幹業務システム(ERP)「SAP S/4HANA Cloud」で提供されているアプリケーションを検索・操作できる。IBM Watsonの機能を搭載することで、自然言語機能と予測的洞察の両方でユーザーの生産性向上に貢献するという。
SAP 最高経営責任者(CEO) 兼 執行役員のChristian Klein(クリスチャン・クライン)氏は「この画期的なIBMとの共創は、SAPの顧客に優れたUX、迅速な意思決定・洞察を提供し、ビジネスプロセスの変革を支援する。AI、機械学習、その他のインテリジェントな技術をSAPのソリューションに組み込むために協力することで、両社共通の顧客にとってより良いビジネスの成果をもたらすことができる」とコメントしている。
SAP StartはAIと機械学習を活用してさまざまなデータソースから情報を抽出し、部門を超えてユーザーの質問に答えられるという。例えば、SAP Concurの旅程アプリ「TripIt」では、ユーザーがAIの推論による気象予測にアクセスし、出張の前や最中により良い選択ができるようサポートするという。
両社は、現在までに25の共同インテリジェントインダストリーソリューションを開発・提供しており、SAPのアプリケーション開発基盤「SAP Business Technology Platform」で実証されたIBM Watsonの機能を用いている。ソリューションを通して小売や製造、公益事業といったさまざまな顧客のビジネス変革やデータ活用による意思決定を支援している。
IBM 会長 兼 最高経営責任者(CEO)のArvind Krishna(アービンド・クリシュナ)氏は「IBMとSAPは、企業がAIの変革力を生かし、競争優位の源泉として利用する新しくて画期的な方法を提供するために協力している。今回の発表により、両社はIBM Watsonの強力な企業向けAI機能をSAPの主要なERPプラットフォームに搭載し、企業が顧客体験(CX)を再構築するとともに、生産性を高めて成長できるようにする」と述べる。
今回の発表を受けて日本アイ・ビー・エム(日本IBM)は、データサイエンティストを有するデータ&テクノロジー変革チームとSAPの専任チームが連携し、国内顧客の課題解決を支援するSAPソリューションの提案と導入を行うとしている。