愛媛県、「LINE WORKS」活用で災害時の体制強化–素早く確実な情報共有目指す
今回は「愛媛県、「LINE WORKS」活用で災害時の体制強化–素早く確実な情報共有目指す」についてご紹介します。
関連ワード (クライアント等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
愛媛県は、各市町と県が非常時に素早くやりとりする手段として、ビジネスチャットツール「LINE WORKS」の活用を開始した。提供元のワークスモバイルジャパンが5月11日に発表した。
愛媛県は2018年の西日本豪雨時に、支援を必要とする市町に別の市町から職員を派遣する「カウンターパート方式」を導入して支援活動を行っていたが、市町同士が直接やりとりするのではなく、支援を求める市町がまず県に要請し、県がカウンターパートの市町に伝える形で進めていたため、連絡に時間と手間がかかっていた。災害時は電話回線が寸断する可能性もあり、電話以外でも非常時に県と各市町が迅速かつ確実に連絡できるコミュニケーション手段が必要であることから、LINE WORKSを活用した「災害対策ホットライン」を構築した。
同県は、A・B・Cからなる既存のカウンターパートのグループをそのままLINE WORKSのグループとして、各グループの被災市町、1次/2次支援市町がチャットで素早く情報共有できるようにした。グループの主な構成メンバーは、首長の判断を踏まえて迅速に対応できる各市町の副市町長と防災/人事担当者で、県災害対策本部の防災局や市町振興課の担当者なども各グループに所属することにより、非常時のやりとりを複数人でリアルタイムに把握できるようにしている。
この体制により、被災市町から支援市町への応援要請を素早く行えるようになったという。全メンバーが所属するLINEグループもあり、県外で大きな自然災害が発生した場合に情報共有することを目的としている。
災害発生時は、被災した市町が被害の状況とともに応援職員の派遣要請をチャットで行うと、グループ内の1次支援市町がすぐに職員の派遣を手配。被害が大きく1次支援市町だけでは対応しきれない場合に備えて、2次支援市町も早い段階から準備を整えておく。グループトークでの市町間のやりとりは県災害対策本部も把握できるため、必要に応じて県も協力することが可能だという。
愛媛県は、LINE WORKSのトーク活用により連絡業務の時間が短縮し、災害対策の質を高められると期待している。時間を問わず確実に情報を伝えられたり、電話と違って発信した内容が記録に残ったりすることから、より的確な災害対応の実行につながると見ている。
今後は非常時に活用できるよう、防災訓練の一環としてLINE WORKSのグループ内で支援要請するなどのトレーニングを行い、連携体制の強化を図る。ビデオ通話機能を活用し、被災した市町が1次支援市町や2次支援市町の担当者に被害の状況を映像で示して支援を要請するといった活用方法も検討しているという。