ServiceNowのデジタルスキルトレーニング「RiseUp with ServiceNow」の展望

今回は「ServiceNowのデジタルスキルトレーニング「RiseUp with ServiceNow」の展望」についてご紹介します。

関連ワード (クラウド等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 ServiceNowは、米国時間5月16~18日に開催した年次イベント「Knowledge 23」で、同社が提供するデジタルスキルトレーニングプログラム「RiseUp with ServiceNow」の強化を発表した。これは、2024年末までにServiceNowのスキルを保有する100万人の人材をグローバルで育成するという同社のコミットメントを達成するためだ。

 同社では2023年5月に、RiseUp with ServiceNowを含む、グローバルな教育活動を指揮するシニアバイスプレジデントにAmy Regan Morehouse(エイミー・レーガン・モアハウス)氏が着任。同氏に、同プログラムの展望やデジタルスキルにおける教育活動について聞いた。

 RiseUp with ServiceNowは2022年10月に開始され、これまで40万人が利用し、38万人がコースを修了している。同プログラムの特徴は、クリティカルシンキングや対人コミュニケーション、創造性など、ITキャリアを築くために必要な全人的なスキルを網羅している点だ。

 今回行われた強化は、パートナー企業のコースを含むトレーニングカリキュラムの拡張。第1弾として、戦略的パートナーであるMicrosoftのコースを導入。両社のテクノロジーに関する専門知識を1つのプログラムに統合することで、「Now Platform」と「Azure」の2つのプラットフォームに関する幅広い知識を得られるという。これにより、両プラットフォームで活躍する人材を発掘・雇用するためのスキルエコシステムを拡大する。

 これらのコースやカリキュラムは総合ラーニングプラットフォーム「Now Learning Platform」を基盤に提供され、このほかにも雇用の機会に恵まれない人材に対するトレーニングとキャリアサポートを行う「NextGen Program」や、大学との提携プログラム「Academic partnerships」などを提供している。

 Amy氏は10年以上にわたり、さまざまな企業でスキルベースのテクノロジー教育を推し進めてきた。「私は、人がテクノロジーのスキルを得るべきだと考えているし、私たちはスキルについて教える責任があると感じている。それだけでなく、スキルを身に付けた後に、テクノロジー業界にどのような仕事があるのかを教える責任もある」と、教育活動に対する信念を語る。

 さらに、テクノロジー業界に従事するとしても「テクニカルなスキル」と「ヒューマンスキル」が必要だとし、「RiseUpであれば、さまざまなコースやカリキュラムを通して包括的なスキルを提供できるだろう」という。2024年末までに100万人がスキルを獲得するという目標に対する自信について聞くと「自信はある」と即答した。

 しかし、この目標は最終目標ではなく、あくまでも通過点だとし、「当社が成長するにつれて顧客が増え、さらに多くの人にスキルを学んでもらう必要が出てくるだろう」と話す。同プログラムはグローバルで展開しているが、各地域でローカライゼーションを行っている。このような戦略の基、同社のエコシステムの中でスキルを獲得する人材は増えていくのではないかと展望を述べた。

 同氏は、昨今注目を集める生成AIを用いたイノベーションに期待を寄せているという。「新しいことを学ぶのは難しいが、特にテクノロジーを学ぶときにAIがあると少しハードルが下がる。例えば、学習者はビジネスシナリオに当てはめてスキルを活用することで、さらに理解を深めることができる。その手助けをAIができるようになれば良いと考えている」

 またAIを業務に活用することで、これまで手作業でやっていたことを自動化し、仕事量を減らすことで、例えばヒューマンスキルを活用した創造性のある業務に時間を割くことができ、そこからイノベーションにつながるかもしれないと話す。「ServiceNowのテクノロジーは仕事の在り方を変えることができる。だからこそ、みんなにスキルを獲得してほしい」(Amy氏)

 同氏は、同プログラムを通して、全員が自分自身の個性を発揮できる場所で働いてほしいという。今後の展開としては、大学やNPOとの提携、出産・育児を終えた女性の社会復帰のサポートを考えている。

 既に広島大学やミュンヘン工科大学など、複数の大学と提携するServiceNow。大学提携の意図を尋ねると、自身の大学時代のエピソードを語ってくれた。

 「大学在学中に美術史を専攻して学位を取得したが、実際に社会に出てみると仕事が無かった。スキルが何もないうちはレストランで働いていたが、企業に勤めるようになってから新しいスキルを学び、そこからテクノロジーの道につながった」

 テクノロジーに常に囲まれている今、文系や理系に関係なく、誰でもデジタルスキルが必要となった。同氏はServiceNowと大学が提携することで、学生が大学在学中に「興味のある学び」と「RiseUpを通したデジタルスキルの学び」の両方を受けて、仕事につなげられるようにしたいと話す。一方、企業と大学ではスピード感に差があり、仕事につなげるためにデジタルスキルを取得することが緊急であることを大学に訴求していくべきだとしている。また、学生に対してServiceNowが提携していることを周知する必要性も訴えた。

 さらに、女性の社会復帰やテクノロジー業界での従事についても話を聞いた。「個人的には、テクノロジー業界で働く女性は増えてきていると感じている。特に女性にはデジタルスキルを持っていることを価値のあることだと分かってほしいし、性別や(大学などの)出身で障壁を作るのではなく、踏み出してほしいと思う」。そのために同社では5つのキャリアジャーニーを公開している。同氏は、実際にServiceNowのスキルを取得した人のキャリアを見て、自信にしてほしいと語った。

(取材協力:ServiceNow Japan)

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