国内中堅SIer 16社、2022年度業績は営業利益2桁増で利益率10%に
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国内の有力中堅システムインテグレーター(SIer)の2022年度業績が出そろった。16社の営業利益は前年度比13%増で、大手SIerとほぼ同等の伸び率となり、営業利益率も0.5ポイント改善して10%に達した。収益性の高い案件獲得に力を入れたり、生産性向上を図ったりしてきた効果が現れてきたからだろう。売上高も前年度に比べて7%超の伸びを示した。2023年度は売上高、営業利益とも10%前後の成長を計画する。各社の決算資料などからまとめた。
売上高の成長率で2桁増となったのは、コムチュア(前年度比16.3%増)とDTS(同12.4%増)、アイネット(同12.3%増)、IDホールティングス(同11.9%)、フューチャー(同10.3%増)の5社。
コムチュアは、1人当たり売上高を毎年7%以上伸ばす目標を掲げ、提案力や生産性、サービス品質の向上などを図ってきたという。DTSは、金融/通信業界向けに売上高を増やしたほか、ERP関連ビジネスなどが好調だった。
アイネットはシステム開発サービスが好調だったことに加えて、クラウドサービスや受託計算が順調に推移したことによるが、データセンターの電気料金の高騰と設備投資などによって、営業利益が2桁のマイナスになる。フューチャーは、地域金融機関向け次世代バンキングシステムの2行目導入やアパレル企業の基幹システムの刷新など戦略的な案件や大型プロジェクトの獲得などを理由に挙げる。
唯一の減収だったNCS&Aは、営業利益を20%弱伸ばした。コールセンターなどを展開する子会社を売却した一方、強みを生かせない受託開発から撤退、縮小する。同社のほか、営業利益を2桁伸ばしたのは、アイネス(前年度比93.7%増)、フューチャー(同35.9%増)、IDホールディングス(同29.7%)、アイエックス・ナレッジ(同26.9%増)、JBCCホールティングス(同22.1%増)、TDCソフト(同16.6%増)、クレスコ(同12.1%)になる。
営業利益を倍近くに増やしたアイネスは、前年度に一時費用計上した自治体システム標準化の動きに備えたソフトウェア投資戦略の見直しなどを図った。フューチャーは品質管理の徹底化を継続し、営業利益率を18.5%から22.8%と4ポイント以上も引き上げた。IDホールディングスは受注単価の低いところを撤退し、稼げるところに集中したという。
アイエックス・ナレッジは原価率の低減や販売管理費の抑制、クラウド技術者の育成による単価アップなどがある。JBCCホールティングスはITサービスへの事業構造改革を進めたのに加え、クラウドやセキュリティなど付加価値の高いストックビジネスを伸ばした。TDCソフトは、アジャイル開発など高付加価値サービスの次世代型システムインテグレーション(SI)事業の推進などが奏功。クレスコは増収効果と不採算案件の極小化などが増益につながった。
中堅SIer 16社の2023年度計画は、売上高が9%程度、営業利益が10%程度の増加を見込んでいる。業務改革やデジタル技術を駆使した新しいビジネスの創出など、デジタル変革(DX)の需要拡大を取り込むことで目標を達成する構えだ。
「先端技術やDXをはじめとするITへのニーズが底堅いことから、受注環境は堅調に推移するものと見込まれる」(NSD)、「DXの推進をはじめとするシステム開発ニーズやソフトへの投資は、以前にも増して高まっている」(アイネット)、「企業のDX推進の高まりなどから、IT投資は伸長する」(クレスコ)など、各社の期待は高い。