富士薬品、店頭メディアサービスを採用–当日使える顧客に適したクーポン発券
今回は「富士薬品、店頭メディアサービスを採用–当日使える顧客に適したクーポン発券」についてご紹介します。
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医薬品の研究開発・製造・販売を行う富士薬品は、顧客一人一人に合った販売促進に向けて、「セイムス」をはじめとする同社のドラッグストアにマギーの店頭メディアサービスを採用した。マギーは、沖縄県を拠点にパーソナルプロモーションやデータ解析などの事業を手がける。両社がそれぞれ取り組みを発表した。
富士薬品は、2023年6月末までに関東圏の全店舗へ「セイムスタッチ」として店頭メディアサービスを導入し、同年9月末までに「ドラッグユタカ」を除く全923店舗への導入を予定している。ドラッグユタカでも導入を予定しているが、時期は未定だという。
セイムスタッチは、セイムスに会員登録している顧客(セイムス会員)の会員情報と過去の購買データ(ID-POS)からAIが一人一人の購買傾向を学習し、その日に使える顧客に合ったクーポンを発券する。端末には液晶サイネージが搭載されており、新商品のキャンペーン情報の配信なども可能。セイムス会員は顧客の約7割を占め、セイムスタッチで購買体験をパーソナライズ化することで、ロイヤルカスタマーの増加を図る。
富士薬品は2022年8月から東京都と千葉県の204店舗でセイムスタッチを試験的に導入し、その結果を受けて本格的な導入を決定した。2022年12月~2023年1月に行った検証では、来店頻度や1人当たりの購入金額などが改善したり、各メーカーの商品のリピート購買率が向上したりしたという。具体的には、セイムスタッチを利用した会員は未利用の会員に比べて来店頻度が8ポイント改善。1人当たりの購入点数の割合も未利用の会員より2ポイント高かったとのことだ。
顧客は、店舗入り口に設置された端末に会員カード「セイムスカード」、または会員専用アプリ「セイムスアプリ」の会員バーコードをタッチすることで、その日に使える自分に合ったクーポンを入手できる。端末には液晶サイネージが搭載されており、新商品情報の配信やリピート購入の促進なども可能。同社は新規会員など十分な購買履歴がない顧客も同様の購買体験ができるよう、新たな企画を準備しているという。
ドラッグストアをはじめとした小売店での販売促進施策ではクーポンの活用が欠かせない一方、施策自体が画一的になってしまう傾向があり、顧客一人一人に満足してもらうには限界があると富士薬品は説明する。そこで、各顧客に合ったプロモーションを行えるマギーの店頭メディアサービスの採用に至った。
今後は、購買傾向から顧客のニーズを捉え、取引先のメーカーと連携してクーポンの拡充や魅力的なパーソナルプロモーションを展開するとしている。セイムスタッチの認知向上と利用拡大にも取り組み、2024年3月までにセイムス会員のタッチ率5割を目指す。
マギーは、商品データを強化して顧客と商品の関係性を学習させ、ターゲティング精度の向上を図る。また富士薬品と連携して、セイムスアプリとの連動や地域データの活用などを進め、顧客のニーズに一層応えるサービスづくりに取り組むという。