Gcore、日本市場に本格参入–高性能・低遅延なエッジソリューションを提供
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ルクセンブルクを拠点とするGcoreは6月20日、日本に拠点を開設し、国内市場に本格参入すると発表した。同社は、Edge as a Service(EaaS)プラットフォームを中核に、クラウド、ネットワーク、人工知能(AI)、セキュリティの領域でソリューションを提供している。日本カントリーマネージャーに就任する磯村広紀氏によると、同社は「ゲーム業界向けに生まれた企業としてのDNAを持っている」とし、高性能で低遅延なソリューションを幅広く提供するのがミッションとのこと。「特定パートナー企業を通じて自社の強みを訴えていきたい」と意気込みを語った。
Gcoreは、ゲーム企業のWargamingから独立する形で2014年にオーストリアで創業し、現在はルクセンブルクに本社を置く。クラウドを中心にサービスを手掛け、北米、欧州、中東、アジア、アフリカの6大陸にネットワーク拠点を構築してきた。エクイニクスとアット東京の協力により、既に東京・大阪にデータセンターを設置しており、国内でデータ処理と管理を実施できるサービスの提供体制を整えている。2023年10月には「NVIDIA H100 Tensor Core GPU」を用いてデータセンターを増強する予定だ。
同社はそもそも、コンテンツ配信網(CDN)やクラウドコンピューティング、ベアメタルサーバーなどのサービスを展開してきた。GcoreのHead of Global AllianceであるTomasz Zieba氏は「昨今、ネットワークに限らず、サービスをエッジで展開することが重要になってきている。高まるエンドユーザーの期待に応えるには、エッジでサービスを提供するプラットフォームが必要になる」と自社の幅広いポートフォリオを強調した。
Zieba氏はさらに、「大切なのは、われわれのサービスの全てがエッジ向けに開発されていることだ。グローバルと同様の性能を日本にも展開し、日本の企業がグローバルでサービス展開する際も支援できる」と主張した。現在、Gcoreは世界で140超のクラウドPoP(ポイントオブプレゼンス)を用意し、将来的な需要拡大にも備えている。
同社は、他のIT企業と同じくAIに注力しており、NVIDIAやGraphcoreのチップを用いた「PRIVATE CONVERGED EDGE AI」を展開中だ。AI向けの統合基盤として日本での展開を予定している。「大企業の顧客に限らず、中小企業や官公庁の方々にも活用してほしい」(Zieba氏)
また、5GベースのeSIM事業を展開することも表明している。データ通信やデータ分析といった用途に向けて、セキュアなインフラサービスを提供していくという。こちらもパートナー企業との協業が前提となるものの、「単純なパートナーシップ再販だけではなく、ホワイトラベルあるいはレベニューシェアモデルも含めたパートナー戦略を推し進めたい」とZieba氏は戦略を述べた。
ゲーム業界やヘルスケア業界、セキュリティを重視する一般企業などを対象にしていき、国内法人はまず営業部門やサポート部門の増強に努めるとした。