ニチガスの次なる打ち手はデジタルで稼げるプラットフォーム事業会社の発足(後編)

今回は「ニチガスの次なる打ち手はデジタルで稼げるプラットフォーム事業会社の発足(後編)」についてご紹介します。

関連ワード (CIO/経営、先進企業が語る「DX組織論」等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 日本瓦斯(ニチガス)のDX推進組織は、デジタルを積極的に活用する社内文化が醸成されている中で、次なるステージへと移行するさなかにある(前編)。後編では、同社の事業再編を見据えた今後の組織作りと人材確保の方向性について紹介する。

 ニチガスは、2024年1月に本体と3つのグループ会社(東彩ガス、東日本ガス、北日本ガス)の計4社を2つの会社に再編する予定となっている。1つは、従来の延長上で、エネルギー事業環境の変化に合わせたエネルギー小売・ソリューション事業を生業とする会社、そしてもう1つが、DXで培ってきたデジタルの仕組みを法人顧客に提供するプラットフォーム事業会社である。

 その背景にあるのが、エネルギー業界全体の市場環境の変化である。既に足元では電気料金の高騰が人々の暮らしを圧迫し、グローバルでの流れとしても脱炭素化が加速、再生可能エネルギーの利用、電気自動車(EV)シフトなどが活発化し、近い将来にはスマートシティー化が実現される見通しだ。このエネルギー提供および利用の仕組みが大きく変わっていく状況を、同社では事業拡張のチャンスと捉えている。

 これまでもニチガスは、電力に先駆けて自由化となったLPガス業界内で改革を進めてきた過程で、ガスや電気を組み合わせたサービスへのビジネスモデル変革を進めてきた。さらにそこから現在では「NICIGAS3.0」を掲げ、ニチガスの効率的なシステムオペレーションの仕組みを他事業者に提供する「プラットフォーム事業」の推進とともに、従来のガスや電気を仕入れて販売するエネルギー小売事業から、AIの活用による自律分散型エネルギー供給の社会を実現すべく、新たに変革を進めている。

 電気とガスをセットで提供しながら、並行して太陽光発電設備、蓄電池、EVやハイブリッド給湯器、EV充電設備などの分散型エネルギー源(DER)を普及させ、各家庭のスマートハウス化を促進し、さらに地域コミュニティーで最適なエネルギー利用を実現するという「エネルギーソリューション事業」へのシフトに挑戦している。

 エネルギー事業本部 情報通信技術部 部長の岩田靖彦氏は「ニチガスはガスと電気の両方を提供している。ここに蓄電池やハイブリッド給湯器、EVなども絡めてエネルギーの使い方を賢くする仕組みを提供する。それを家庭、さらに街単位で可能にする」と同事業の方向性について説明する。

 同社はそのようなエネルギー市場を取り巻く状況を見据えて、再編によって既存の主力事業の延長線上であるエネルギー小売・ソリューション事業側での競争力を高めていくとともに、専業のプラットフォーム事業会社で、本体が新たな事業を進めていく上でのDX商材を開発しつつ、ニチガスのみならず外部のエネルギー事業者にもツールやサービス、託送(エネルギー配送網)の仕組み(プラットフォーム)を提供して、業界全体をDXしていくという絵を描いている。

 「今のエネルギー業界には非効率な部分がたくさん残っている。その中でニチガスはIT投資もしてモノがある程度できており、DX銘柄として評価もされているので、それを他社に使ってもらうようにする。後継者やDXをする体力を持たない小さなLPガス事業者から事業を譲り受けるなど、業界再編するという形をとってもいいと考えている」(岩田氏)

 プラットフォーム事業会社では、ガスメーターをオンライン化するIoT機器「スペース蛍」をはじめとするプロダクトやサービス群をエネルギー業界向けに提供する。そして昨今良く見られるような自社のDXを加速させるためではなく、特定の業界をターゲットに、しっかりと収益を上げることを見越した戦略に基づいて設立されるところに特徴がある。岩田氏やインフラ開発課 課長の舟橋孝秀氏をはじめ既存の情報通信技術部の人員は今後もプラットフォーム事業に関与する予定となっている。

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