Dropbox、AI搭載の検索ツールをベータ提供–開発背景やAI利用の方向性なども明らかに
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Dropbox Japanは7月11日、人工知能(AI)を搭載したユニバーサル検索ツール「Dropbox Dash」について記者説明会を開催した。これは、AIを用いて多数のアプリケーションを対象に検索を実行し、コンテンツの検索と整理を支援するもの。6月22日にベータ版が公開されている。
会見したDropbox Japan 代表取締役社長の梅田成二氏は、米DropboxがAI活用を前面に押し出した方針を踏まえ、「高齢化社会や労働力不足、デジタル化の遅れなど(多くの課題に対し)、AIで国力を再び高める気運が諸外国よりも強い」と私見を述べた。
Dropbox Dashは、Dropbox内に格納したファイルのほか、「Google Workspace」「Microsoft Outlook」「Salesforce」などとも連携し、静的なコンテンツの検索を実行し、目的のファイルを素早く発見できるようにする。Dropboxを核とした“検索ハブ”と表現すると分かりやすいだろう。
ショートカットキーによるクイックサーチページの呼び出しや、後述する「Dash Stacks」の制御なども可能な「Dash Start Page」からアクセスする仕組みだ。Dropbox Dash自身は、機械学習によって使用頻度に応じて検索精度が高まる。Dropbox プロダクトデザイン ディレクターのDevin Mancuso氏は、「今日のナレッジワーカー(知識労働者)は時間をかけて(必要なファイルを)探している。われわれは収集、分析、共有を支援するために同機能を提案した」と説明する。
Dash Stacksは用途に応じた関連ファイルを積み重ねる領域を提供する。例えば、「Microsoft PowerPoint」のプレゼンテーションファイルやメディアコンテンツをまとめることで、作業効率を高める機能だ。デモンストレーションを見る限り、Dash Stacksはプロジェクトに応じた分類が可能で、メンバー共有や自身のみ参照する領域も作成できるようだ。同機能はDash Start Pageからアクセスし、連携済みアプリケーションによる作業内容や当日のスケジュールをフォーカスカードに提示する。
Dash StacksとDash Start PageはDropbox Dashに内包されるので、検索ハブというよりも“情報ハブ”という表現が正しいだろう。ただし、ビジネスチャットツールなど動的なコンテンツは検索対象外になる。Mancuso氏は「業務負担の軽減につながるのであれば追加したい」と説明している。
DropboxのAI戦略は上記にとどまらず、国内未提供の「Dropbox AI」もある。現在はアルファー版の同機能はDropboxに格納したファイルを要約する。正式リリース時は日本語を含む多言語に対応する予定だ。もう一つは「Dash Answers」。現時点で米国でも未提供の機能だが、Mancuso氏は「『次の休日は』と聞けばコンテンツの内容を理解して、Answersが正確な答えを返す」と説明している。
同氏は続けて、「必要なのはパーソナライズされ、ユーザーの文脈や組織について理解したAIだ。われわれは機能提供に原則を設けており、プライバシーやセキュリティを重視している」と述べながら信頼性を強調した。