クボタ、上下水道施設の効率的な運転維持管理を実現する総合基盤を開発–日本IBMが支援
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クボタとクボタ環境エンジニアリング(KKE)は、上下水道施設における運転維持管理(O&M:Operation&Maintenance)を効率化させる新システムを開発した。開発を支援した日本IBMが8月1日に発表した。
新システム「KSIS BLUE FRONT」はクボタのIoTソリューションシステム「KSIS」(クボタスマートインフラストラクチャシステム)と、IBMの設備保全・総合資産管理ソリューション「IBM Maximo Application Suite」(IBM Maximo)を連携させて構築した総合プラットフォーム。上下水道施設の運転・維持管理業務のデータを一元管理し、情報の可視化による業務効率化に加え、品質リスクの低減やライフサイクルコスト(LCC)縮減を図る。
KSISは浄水場や下水処理場などの上下水道施設・機器の遠隔監視や最適運転制御に加え、機器の異常予兆の検知や寿命予測ができるIoTソリューションシステム。
IBM Maximoは、50年以上の歴史を持つエンタープライズ資産管理(EAM)ソフトウェア。施設設備の点検結果などをデジタル化し、設備情報の一元管理をするだけでなく、各設備と設備ごとの劣化予測や日常運転データ(IoTデータ)を組み合わせて、最適な補修・改築・メンテナンス計画の立案などリスク基準保全(RBM)に対しても標準機能でサポートが可能だ。
日本IBMはクボタおよびKKEとともに、IBM Maximoの導入・ダッシュボードの設計構築に加え、「Microsoft Azure」上で稼働する「Red Hat OpenShift」を含むプラットフォーム基盤の構築と、クボタの既存システムや天気サービスなど各種サービスとのインターフェース連携を構築した。
KSIS BLUE FRONTでは、現場作業者がタブレットなどを活用して点検結果のデータを入力することで、入力作業と記録をデジタル化することができる。デジタル化された点検結果に加え、KSISで収集する施設や機器の監視データや診断データを同システムと連携させることで運転状態の可視化を図り、施設の運転管理におけるデータの一元管理ができる。
また、KKEの豊富な運転維持管理業務経験を反映させたダッシュボードを備えており、施設の運転維持管理に必要なデータを一目で確認でき、作業現場での効率的な情報共有や判断の迅速化が可能になる。
さらに、施設のエネルギー関連の原単位(一定量や一定期間に消費するエネルギー量を表す単位)や二酸化炭素(CO2)排出量などの重要評価指標(KPI)をリアルタイムに管理することができるので、施設の適正な管理に役立てることが可能だ。外部気象データとも連携が可能なため、豪雨や台風などを先読みした人員の配置や対応により、災害時でも施設を安定的に稼働させることができる。
今後、日本IBMはクボタおよびKKEと共同で、同システムが日々管理する機器の点検結果や診断結果と、各設備の日常運転データ、最新の劣化予測結果を組み合わせて、施設の健全度評価と最適な補修・改築・更新計画の立案をサポートする、リアルタイムアセットマネジメントシステムになることを目指す。