富士フイルムとIBM、世界最大記録容量のテープストレージを開発
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富士フイルムとIBMは米国時間8月29日、データ非圧縮で世界最大の記録容量となる50TBのテープストレージシステムを開発したと発表した。法人向けにIBMが販売する。
新システムは、富士フイルムが開発する「微粒子ハイブリッド磁性体」を採用した磁気テープ「IBM 3592 JFテープ・カートリッジ」とIBMの「TS1170ドライブ」で構成される。記録容量は、データ非圧縮時で世界最大の50TB、データ圧縮時で最大150TBとなり、現行モデルの「IBM 3592 JEテープ・カートリッジ」に比べて約2.5倍になるという。
テープストレージシステムは、大容量データを安価で安全に長期保管が求められるバックアップやアーカイブ用途で学術研究機関や公共、民間に至るまで広く利用されている。両社は、ビッグデータ解析の普及などを背景にデータ量が爆発的に増加しているため、大容量データを保管できるストレージシステムが求められているとした。
記録容量を高めるには、媒体となる磁気テープの伸長や記録密度の向上が必要になる。両社によれば、新システムでは磁気テープの支持体に薄く強度の高いベースフィルムを採用したことで、カートリッジ1巻当たりテープ長を現行品より約15%伸長した。また、記録密度の向上では、「ストロンチウムフェライト磁性体」と「バリウムフェライト磁性体」で活用されるナノ粒子設計技術を組み合わせた微粒子ハイブリッド磁性体を新規開発した。また、超微粒子の磁性体を安定的に分散させ、磁性層を均一かつ平滑に塗布する技術を活用しているという。
開発成果について富士フイルム 産業機材事業部 次長の永田敬一氏は、「IBMと進めてきた共同研究開発の新たなマイルストーンであると同時に、ほかのストレージメディアに対する磁気テープの優位性と将来性を示すものだ」とコメント。IBM ストレージシステム開発担当バイスプレジデントのAlistair Symon氏は、「50TBの記録が可能な初のテープストレージメディアで、科学や産業、クラウド上のデータを安全に長期間保管する用途や、データの保管と活用を両立する用途に最適な選択肢になる」と説明している。