対話型AIがコンタクトセンター分野で着実に成長–ガートナー
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調査企業Gartnerのレポートによると、コンタクトセンター、およびコンタクトセンターの対話型人工知能(AI)への投資は、2023年に前年比16.2%増となる186億ドル(約2兆6400億円)に達する見込みだ。こうした投資は、コンタクトセンターにおける対話型AIが2027年までに366%伸びるという成長予測に現れている。
GartnerのディレクターアナリストであるMegan Marek Fernandez氏によると、「長期的な観点で見た場合、カスタマーエクスペリエンス(CX)担当のリーダーらが顧客サービス業務の効率化と全体的なCXの向上を同時に目指す中、生成型AIと、対話型AIの成熟度の発展によりコンタクトセンターのプラットフォームを置き換える動きが加速する」という。
対話型AIには「ChatGPT」のようなチャットボットのほか、「Siri」や「Alexa」のような仮想アシスタントが含まれている。これは機械学習(ML)や自然言語処理(NLP)を用い、テキストや音声での入力を理解し、適切な応答を返す技術だ。
企業は既に対話型AIに目を向け、顧客サービスのエクスペリエンスを向上させようとしている。Zoomは5月、顧客とのやり取りを向上させるためにAnthropicのAIチャットボット「Claude」を導入すると発表している。またQuiqは、小売業界やホスピタリティー業界のさまざまなブランドのCX部門に対話型AIを提供することに注力しており、その顧客にはBrink’sやLane Bryantといった企業が名を連ねている。
Quiqの最高経営責任者(CEO)Mike Myer氏は「企業は、最新のAIがどれほど強力になってきているか、そしてCX部門をどのように強化できるのかを理解し始めている。こうした企業は、今後数年のうちにAIベースの顧客サービスソリューションを実装する方向で検討を始めている」と述べた。
今回のレポートを作成したGartnerは、対話型AIが顧客サービス分野、すなわちコンタクトセンター分野の予測において最も急速に成長する市場だとし、2024年に24%成長すると予測している。
Marek Fernandez氏は、「これが意味しているのは、予算の引き締めに伴って多くのIT投資分野が弱体化している一方で、CXの差別化や顧客サービス運用の合理化に向けた可能性を秘めた顧客サービスやサポートの取り組みは、投資への『支持』を得やすいということだ」と説明し、「こうした要因は、サービスとしてのコンタクトセンター(CCaaS)プロジェクトが、企業のより広範なデジタル変革予算と関連付けられた資金を獲得するのに役立つだろう」と続けた。
もちろん、人間よりもAIのエージェントを優先するという戦略へのシフトに関する意思決定の少なくともいくつかは、現在の不確実な経済状況によってもたらされているのは間違いない。詰まるところ、チャットボットといった対話型AIは、人間を雇うよりはるかに安価なのだ。