データセンターのグリーンコンピューティングを実現するITプラクティス–前編
今回は「データセンターのグリーンコンピューティングを実現するITプラクティス–前編」についてご紹介します。
関連ワード (CIO/経営、カーボンニュートラル(脱炭素)等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
小中規模から大規模まで、世界全体のデータセンターに関わる電力消費量は、少なくとも毎時約200~400テラワット(TWh)に上ると推測されており、これは世界の電力需要の約2%以上にもなっています。さらに、情報ソースによっては、今後の成長モデルにおいて2030年までにさらに4~8%にも拡大することが見込まれています。そして、この電力需要を賄うための発電による温室効果ガスの排出量も比例して増加することにつながります。
DX推進、クラウド環境の需要、昨今のAI需要などの拡大は、システム増強とデータセンターのさらなる規模の拡大を意味しており、データセンターのエネルギー消費量がさらに増加してしまうことが明らかである以上、世界中のデータセンターが使用するエネルギー消費をいかに抑え、削減していくかが、今後の電力需給や地球環境保護にまで影響する重要課題となります。計算機、冷却設備などの電力使用量を削減することは、環境負荷の低減とOPEX(運営費用)の削減による大幅なコストダウンの実現にもなります。気候変動が今後も悪化することが予想される今こそ、データセンターの環境に対する総費用の削減に真剣に取り組むべき時です。
ハイパースケールデータセンター、コロケーションデータセンター、各企業内に設置されたデータセンターなど、いずれの条件においても、環境への影響を低減し、持続可能性を高めなければなりません。Synergy Research Groupの調査によると、2022年末時点で世界には700カ所を超えるハイパースケールデータセンターがあり、2026年までに約1200カ所に拡大すると推定されています。
クラウドサービス(SaaS、PaaS、IaaS、DaaS)、生成系を含むAIなど、デジタルサービスの新たな需要は、サーバー機器の効率化によるエネルギー消費量の改善努力をはるかに上回るペースで増加しており、データセンターの運営・運用者や設計者には、政府や企業の環境目標の達成を支援するために、エネルギー消費量を削減するための何らかの対処を実践することが求められています。
データセンターの立地の再検討から、使用するサーバー機器のマイクロプロセッサーやさまざまな周辺機器の選択、データセンターの運営・運用者、設計者、さらに、それらを使用する個々のエンドユーザーの意識と理解など、環境負荷の低減に貢献する、データセンターのエネルギー消費量削減のための施策は複数にわたります。