IT人材の4人に1人が離職を検討–過重労働やストレスで
今回は「IT人材の4人に1人が離職を検討–過重労働やストレスで」についてご紹介します。
関連ワード (CIO/経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
経済の冷え込みによって状況は和らいだものの、しばらくの間起こった「大量離職」や「静かな退職」は、現在の労働状況に対する人々の不満を反映したものだった(訳注:「静かな退職(Quiet Quitting)とは、積極的に仕事をせず、退職こそしないが必要最低限のことを淡々とこなすだけの勤務態度のことを指す)。しかし、技術者の間ではその熱はまだ冷めていないようだ。新たな調査で、ITプロフェッショナルの4分の1が、6カ月以内の離職を考えていることが明らかになった。その原因は、リモートワークによる過重労働やストレス、孤立だ。
この調査は、8400人の企業役員、専門家、オフィスワーカーを対象としてIvantiが実施したもので、レポートでは「こうしたITワーカーの大量流出によって、米国の雇用者は1450億ドル以上の損失を被る可能性がある」と述べている。さらに、ITプロフェッショナルは他の知識労働者に比べて、「静かな退職」の状態になっている可能性が1.4倍高いとしている。
また恐ろしいことに、退職を考えている4分の1のITプロフェッショナルのうち31%が、メンタルヘルスに問題を抱えていると回答していた。
同レポートによれば、ハイブリッドワークやリモートワークの導入によって業務量が増えたと回答したITプロフェッショナルは73%で、4人に1人がそのために燃え尽き症候群に陥っているという。その上、ITプロフェッショナルは、他の職種と比べて、リモートワークで長時間働く傾向が2.5倍強いことも分かった。リモートワークのマイナス面を尋ねる質問では、ITワーカーの23%が同僚とのつながりの喪失を挙げており、オフィスワーカー全体の17%よりも割合が高かった。
とはいえ、こうした困難にもかかわらず、ITプロフェッショナルの大多数(84%)は、今後も少なくとも一定時間はリモートワークで働きたいと考えている。
では、ストレスを抱える多くのITワーカーやITプロフェッショナルによりよい影響を与える職場環境を提供するには、何が必要なのだろうか。レポートでは、主な原因はリモートワークではなく、それを支える「リソースやツール、サポートの欠如」だと指摘している。
こうした問題に対して、さまざまな業界のリーダーが、IT人材に対してアドバイスをしている。
Infosys Consultingの最高経営責任者(CEO)兼マネージングパートナーのAndrew Duncun氏は、「私からの一番のアドバイスは、学び続けることだ」と述べている。「新しい経験や新しいスキルの習得、新しいプロジェクトに触れる機会は、前に進み続けるための最善の道だ。コーチングやアドバイスを通じて自分を助けてくれるメンターを見つけたほうがいい。特に若手のプロフェッショナルは、ビジネスに通じているベテランから、会社の中で新しい機会を得られることが多い。また、自分の存在を知らせ、売り込み続ける必要がある。他の人たちに自分の成功や業績、プロジェクトの中で自分が生み出した価値を示し続けるべきだ」