メディパル子会社、物流センターに富士通のAIを活用したピッキングシステムを導入
今回は「メディパル子会社、物流センターに富士通のAIを活用したピッキングシステムを導入」についてご紹介します。
関連ワード (ソフトウェア等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
メディパルホールディングス(メディパル)の連結子会社のメディセオは、新たに竣工した物流センター「阪神ALC」(Area Logistics Center)に、富士通のAIを活用したピッキングシステムを構築、導入した。このシステムは、富士通のクラウドサービス「Picking Optimizer」の技術を応用しており、富士通の数理最適化技術を適用している。
阪神ALCは、医薬品や医療材料、臨床検査試薬などを扱う高機能物流センターで、主に調剤薬局、病院、診療所などに商品を供給する。今回の導入は、物流センター内に保管されている3万SKU(Stock Keeping Unit:商品の受発注・在庫管理の最小管理単位)を超える商品から、オーダーに基づき顧客別の納品箱に収納するまでのピッキング工程全体の効率化を目的としている。
メディセオでは、AIのほかに各種ロボットや自動化設備も含めて、阪神ALCのピッキング生産性が既存のALC(Picking Optimizer導入済み)の約5倍になると見込んでいる。
ピッキング作業者は、複数の顧客向け納品箱に商品を収納する。その際に同じ商品を一度にピッキングできれば、作業の集約が可能となり、商品の搬送回数も最小になるという。今回は2つのAI(数理最適化技術)を組み合わせることで、これを実現した。
1つは、複数の納品箱を作成する際に同時作業できる最適な組み合わせを探索・発見することを可能とするAIといい、作業の集約を実現する。その上で、もう1つのAIにより各種商品を格納している自動倉庫から商品を納品箱に収納するピッキングステーションへ、商品格納オリコン(自動倉庫の各商品が入っている折り畳み容器)を流す際の順序を最適化し、搬送時間を最小化する。その際には、自動倉庫の配置やマテリアルハンドリング(物流業務を行う作業や機械の総称)および各種ロボットの処理性能を含め計算処理をしている。
従来のALCでは、オーダーが入った順番に納品箱を作成していたが、同システムが一定のオーダー単位でAIによる最適化計算を行うことにより、出荷時間の短縮、ピッキング作業と搬送を効率化し、生産性を向上させることができる。
メディパルと富士通はDXパートナーで、医療用医薬品などのメーカーから物流センターへの入荷、および各医療機関や調剤薬局までの一連の配送工程における生産性向上を目的に、物流最適化の取り組みを共同で進めている。
今後メディパルは、同システムについて、ピッキングシステムを採用しているほかのALCへも「Picking Optimizer」と合わせて順次展開を進めていくという。また、富士通と連携しICTやAIを活用することで、さらなる効率化の早期実現を目指す。