イトーキ、本社フロアを刷新–自社サービスで収集したデータ活用
今回は「イトーキ、本社フロアを刷新–自社サービスで収集したデータ活用」についてご紹介します。
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イトーキは、本社オフィス兼ショールーム「ITOKI TOKYO XORK(イトーキ トウキョウ ゾーク)」の11階を大規模改修し、11月7日に「ITOKI DESIGN HOUSE(イトーキ デザインハウス)」としてリニューアルオープンした。それに伴い、報道関係者向けの内覧会を開催した。
イトーキはオフィス家具の製造・販売のほか、データを基にオフィスや働き方を改善する事業を行っており、自社オフィスにも同社のサービスを導入して顧客への提案につなげている。2024年2月には、同社のデータサービス群「ITOKI OFFICE A/BI SERVECE」の一つとして、オフィスデータ分析サービス「Data Trekking(データトレッキング)」の提供を開始した。
OFFICE A/BI SERVECEでは、オフィスの利用状況を可視化する「Workers Trail」、サーベイで従業員のパフォーマンスや状態を可視化する「Performance Trail」といったアプリケーションを提供。同サービス群では、これらのアプリケーションから収集されたデータをプラットフォーム上で統合・分析し、Data Trekkingで課題の把握や改善活動の支援を行う。
イトーキは2018年にITOKI TOKYO XORK (現ITOKI DESIGN HOUSE)を開設し、仕事の内容に合わせて働く場所を自由に選ぶ「アクティビティーベースドワーキング」(ABW)を実践してきた。同社は全3フロアの改修を随時行っており、2022年には12階、2023年には13階を刷新している。
11階の改修では、Data Trekkingによるオフィスの分析結果も生かしている。例えば、オフィスらしさを残した12階と比べ、居心地の良さを重視した13階に長時間いる従業員の方が、コミュニケーション関連の指数が高いことから、11階の設計においても13階の思想を生かしたという。
11階は、社内外の人々との円滑なコミュニケーションを促進する「WORK TERRACE」、ABWを実現する「WORK SPACE」で構成される。同階のテーマとして、ABWや居心地の良さに加え、働き方の変化や多様化に対応できる「機動性」がある。例えば、コロナ禍やオフィス回帰で会議室などに対する需要が変動する中、機動性の高いオフィスでは短時間の業務に適した場所の拡充、ポータブルバッテリーやモジュール化された家具の活用などを通して対応する。
イトーキが進めるオフィスの改善は、従業員エンゲージメントや採用に大きな影響をもたらしている。同社が2023年に社内で実施した調査では、「イトーキで働くことに誇りを感じている」という設問への肯定的な回答が75%に達した。加えて、2025年卒学生向けのインターンシップへの応募倍率は、2024年卒と比べて40%増加したという。代表取締役社長の湊宏司氏は「オフィス投資が人的資本投資となっている」とアピールした。 本社11階に入ると「ITOKI DESIGN HOUSE」の文字が出迎える。