DXの定着化の壁を乗り越えるには–デジタルを前提とする企業となるために
今回は「DXの定着化の壁を乗り越えるには–デジタルを前提とする企業となるために」についてご紹介します。
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デジタルトランスフォーメーション(DX)が一過性の取り組みに終わることなく、全社的な取り組みとして定着するためには、会社全体の仕組みがデジタルを前提に組み立てられ、全従業員の行動も変容することが求められます。DXの定着化は、1つのゴールであると同時に、終わりのない長い旅路の一里塚ともいえます。
前回は「DX浸透の壁を乗り越えるには」と題してDXを社内に浸透させ、全社的な取り組みへと広げていくために重要なポイントを示しました。今回は、DXを一過性の取り組みに終わらせることなく、全社的な取り組みとして定着化させるためのポイントについて考えていきます。
DXへの取り組みを継続的な企業の営みといえるレベルまで定着化させるためには、まず従業員一人一人がDXを自分事と捉えて、ごく当たり前の日常の業務や行動の中に、DXに関する活動やデジタル化された仕組みが組み込まれた状態にしていくことが求められます。その第一歩として、DXを各部門や個人が自分事として継続的に取り組むためには、全社的なDXの目標や重要業績指標(KPI)と部門・個人の目標の関係性を明確にひも付けることが非常に重要です。
DX推進部門以外の一般の部門や個人は、現行の仕事を抱えており、従来の部門目標や個人目標に向かって努力しているはずです。経営者やDX推進部門がいかにDXビジョンとDX戦略を掲げ、達成すべき目標を明示したとしても、経営ビジョンや事業戦略とひも付いていなかったり、部門目標や個人目標にそれが盛り込まれていなかったりすれば、DXを自分事として取り組む動機づけにならず、長続きしません。「ただでさえ現行業務で忙しいのに、DXなどに付き合っている暇はない」といった声が聞かれるのはそのためです。DX施策の実行において事業部門の協力が得られないといったよく見られる問題は、こうした状況から生まれています。
DXの目標を公式に部門や個人の目標に組み込み、各部門や個人がDXに関する取り組みにおいて果たすべき役割やなすべき行動を正しく理解できるようにすることが重要です(図1)。これを全社的に浸透させ、当たり前のこととして実行できるように定着させるには、部門の業績評価指標や個人目標の管理方式、評価項目の見直しが必要になる場合もあるでしょう。