ドーモ、「Domo.AI」など事業戦略を発表–ソニー銀行は組織全体で活用
今回は「ドーモ、「Domo.AI」など事業戦略を発表–ソニー銀行は組織全体で活用」についてご紹介します。
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ドーモは9月21、22日にプライベートイベント「Domopalooza Japan 2023」を都内で開催している。「データの解放、進化する組織へ」をテーマに、人工知能(AI)やデータ活用に関する日米の最新動向を披露する場となっている。
21日に開催された事業戦略に関する記者会見には、来日中の米Domo 創業者で最高経営責任者(CEO)のJosh James氏やドーモ プレジデント ジャパンカントリーマネージャーの川崎友和氏が登壇。また、ユーザー企業としてソニー銀行のデータ活用事例も紹介された。
Domoは米国ユタ州で2010年に創業された企業。企業向けのクラウド型データ活用基盤「Domo」を開発・提供する。従来のBIツールやデータ分析ツールとは異なり、データ専門家だけでなくビジネスユーザーなどの幅広い層の利用を想定している。データの接続や変換、保存、視覚化、予測、コラボレーション、拡張・アプリといったデータ活用に必要な一連の機能をオールインワンで提供する点が特徴になる。グローバルの顧客数は2600社を超えている。
James氏は「企業が保有するデータの多くは閉じ込められ、組織のごく一部の人しか活用できない状態になっている。Domoには1000以上のコネクターが用意されており、さまざまなデータをDomoに接続できるようになっている。組織の全ての人にリアルタイムにデータを提供し、活用していただけるプラットフォームである」とアピールした。
同社の注力分野の一つが人工知能(AI)の活用である。21日には新たに「Domo.AI」の提供が発表された。これは、同社のプラットフォーム上で大規模言語モデル(LLM)を含むAIや機械学習(ML)モデルの管理や活用、最適化を容易にするフレームワークで、ユーザーはよりシンプルで使いやすい形でデータを扱えるようになるとしている。
ベータ版を含めた利用可能な機能としては、「Text to SQL」(テキストによるSQLの生成)、「Text to Domo Beast Mode」(テキストからグラフや表の作成に必要な関数の作成)、「テキスト生成」などが挙げられた。「Jupyterワークスペース」や「AutoML」などDomoがホストするモデルのほか、OpenAIの「ChatGPT」やGoogleの「Bard」など外部ホストモデルを構築、訓練、活用することも可能という。
今後のリリース予定としては、「Amazon SageMaker」「Hugging Face」向けのコネクターや、機密データ(PII)の検出、テキスト要約といった機能を提供するとしている。
日本法人の事業戦略については、川崎氏が方針を明らかにした。同氏は日本でもさまざまな業界でDomoの採用が広がっていると強調し、今後の注力領域として「人材育成プログラム」「新たな価格帯の導入」「Domo.AI」の3つを挙げた。
同氏によると、全社的なデータ活用に取り組む企業は増加している一方で、企業体質や人材・組織の変革ができていないことが理由で失敗するケースも散見されるという。その上で、全社でデータ活用を推進するには、「社内の誰もが利用できる使いやすいツール」「ビジネス課題を解決するデータ思考人材」「自走する組織づくり」が必要だと指摘した。
同社では、これを支援する施策の一つとして「データアンバサダー育成プログラム」の提供を開始する。データアンバサダーとは、同社が提唱する新たな役職で、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進やデータドリブンなビジネス環境の実現、データ活用に向けた企業文化の醸成に責任を持ち、データエンジニアやデータサイエンティスト、データアナリストではカバーできなかった新たな役割を担う。経営者、事業部門、IT部門のそれぞれが抱えるデータ活用の課題を理解し、三者の橋渡し役として企業全体のデータ活用の能力を高めていくことがミッションだという。
同社は他にも幅広いデータ活用人材の育成プログラムを用意しており、「Domo University」の受講者数は2022年実績で6042人、トレーニング実施回数も同42%増だった。
Domoはこれまでユーザーごとやユーザータイプによって1人単位で年額課金するライセンス体系を採用していたが、使った分だけ料金が発生する従量課金制に刷新した。ユーザー数は無制限で、最新機能も含め全ての機能を利用可能とのこと。
Domo.AIについては「まだ開発が始まったところ」だと前置きした上で、「点在化したデータをDomoに集約し、AIを活用することでデータの価値をより高くできる」と期待を示した。