Sansan、「Eight」を名刺アプリへとリニューアル–「タッチ名刺交換」を提供開始

今回は「Sansan、「Eight」を名刺アプリへとリニューアル–「タッチ名刺交換」を提供開始」についてご紹介します。

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 Sansanは9月26日、同社が提供する「Eight」について、新しい名刺交換機能「タッチ名刺交換」の提供開始に伴い、キャリアプロフィールから名刺アプリへとリニューアルしたと発表した。

 Eightは2012年に名刺管理アプリとして提供が開始され、自身の名刺をプロフィールに登録した認証ユーザー数は330万人を上回り、中小企業向けの名刺管理サービス「Eight Team」も4000社を超える企業が導入しているという。提供開始からの11年で多くの機能を拡充し、最近ではキャリアプロフィールアプリとして、ビジネスパーソンと企業の出会いをサポートしてきたと取締役/執行役員 Eight事業部 事業部長の塩見賢治氏は振り返る。

 また、Eight事業ではBtoB領域のイベントビジネスにも力を入れており、4月には1万8000人が来場した「Eight Networking EXPO 2023」を開催している。同ビジネスを今後さらに強化し、ビジネスパーソンの出会いの場を創出すると塩見氏は述べる。

 紙の名刺を起点にビジネスパーソンの出会い、その後のつながり、キャリア形成をサポートしてきたが、これからのEightは名刺管理にとどまらず、ビジネスパーソンの出会いの体験そのものを進化させるという。同社がEight提供開始時に掲げたテーマ「紙の名刺がいらない世界をつくる」を実現する時が来たと塩見氏はアピールする。

 今回のリニューアルの背景にはコロナ禍による変化があるという。コロナ禍によって人々の生活様式がさまざまな面で変化したが、その一つ例として、デジタル技術を活用した決済方法が挙げられる。同様に、ビジネスにおいても、チャットツールやビデオツールなどのデジタル技術が発達し、スマートフォンだけで仕事を完結させるビジネスパーソンが増加している。

 Eightの名刺取り込み枚数も、コロナ禍で一度は落ち込んだものの、2023年5〜8月ではコロナ前の同時期と比べて、103%まで増加しているという。ビジネスパーソンの出会いの場がオンラインからオフラインに戻りつつあると塩見氏は強調する。

 Eightは、このようなオフライン回帰の流れを受け、名刺交換から名刺管理、名刺交換相手の異動・昇進・転職といった近況把握まで全てをスマートフォン一つで可能にする名刺アプリへとリニューアルするという。

 リニューアルされたEightは、ホーム画面に「名刺交換」「フィード」「カメラ」「連絡先」「自分」タブが用意される。名刺交換タブでは、タッチ名刺交換を利用できる。

 タッチ名刺交換は、Eightユーザー同士がスマートフォンを近づけるだけでデジタル名刺を一瞬で交換できる。Eightユーザーを検知すると「端末同士を近づけてください」とのメッセージが表示される。スマートフォンを近づけるとデジタル名刺が交換され、「名刺交換が完了しました」と表示される。

 「タッチ名刺交換であれば、商談時の名刺切れ、交換した名刺の紛失といった紙の名刺が抱える課題を解決することができる」とEight事業部 ビジネス推進部 副部長を務める橋本剛氏は説明する。

 名刺を交換した相手の情報は、プロフィール画面に表示される。所属組織、住所、氏名、電話番号、メールアドレスといった情報に加え、接点のある同僚やこれまでのキャリアのサマリーや近況も確認ができる。

 タッチ名刺交換は、Bluetooth Low Energy(BLE)で実現しているので、同規格をサポートしている「iOS」「Android」搭載スマートフォンなら利用できる。Eightユーザーでない相手とデジタル名刺を交換する場合、QRコードの表示やURLリンクの共有で対応できる。

 タッチ名刺交換の活用シーンとしては、取引先との対面での商談はもちろんのこと、オフラインイベントや大規模なカンファレンス、ビジネスパーソンの懇親会、コミュニティー交流会などが考えられると橋本氏。名刺切れが発生しやすいオフラインイベントやカンファレンスで親和性が高いことから、Eight事業が主催するオフラインのイベントでタッチ名刺交換の活用を推進する考えだという。

 Eightのイベント活用においては、新機能の提供を2024年に予定しているという。Eightを個人のIDとし、スマートフォンをかざすだけでイベントの受付が完了できるようにすると橋本氏は明らかにした。また、従来のイベント受付では、受付対応スタッフが来場者の名刺を回収し、名刺情報を入力していたが、今後は受付で来場者にスマートフォンでタッチをしてもらうだけで名刺情報が取得できるようにし、少人数の受付スタッフで対応できるようオペレーションを整えていきたいとの考えも同氏は示した。

 今後の事業戦略としては、Eightのリニューアルをきっかけにユーザー数と名刺交換枚数を拡大していきたいという。タッチ名刺交換を利用するアクティブなユーザーの増加は、有料の個人向けプレミアム機能やEight Teamといった隣接するサービスの売り上げ拡大に寄与すると橋本氏は考える。また、Eightが主催するイベントの参加体験を向上させ、タッチ名刺交換がイベントへの集客や満足度向上を後押しすることで事業成長につなげていきたいとする。

 今回のリニューアルに合わせて、Eightのロゴも刷新されている。また、同社は、タッチ名刺交換を「Sansan」の名刺交換機能に今後実装することも考えているという。

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