開発者の生産性を最大限まで引き上げる方法–マイクロソフト調査
今回は「開発者の生産性を最大限まで引き上げる方法–マイクロソフト調査」についてご紹介します。
関連ワード (CIO/経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
リモートワークを許可し、ミーティングを最小限に抑えることで、開発者の生産性を最大限まで引き上げられるようになる。
これは、Microsoftのプリンシパル生産性エンジニアであり、同社における生産性に関するパターンを調査したBrian Houck氏の言葉だ。同氏は、Gradleの主催によりニューヨークで開催されたカンファレンス「Developer Productivity Engineering(DPE)Forum」で、その知見を参加者らに披露した。Houck氏と同氏のチームは、Microsoftのさまざまな部門で勤務する開発者5000人を調査し、驚くべき結果を見い出していたのだ。
2020年における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックという危機を乗り切るために、Microsoftは他の多くの企業と同様、全てのオフィスワーカーとプロフェッショナルワーカーのために100%リモートで働けるような環境を用意した。これによってHouck氏とその同僚には、リモートワークが開発者の生産性に与える影響を調査する機会がもたらされた。同氏らは、Microsoftの5000人の開発者およびエンジニアを対象にした調査を実施し、開発者らがオフィスで週5日間働いている時よりも、リモートで働いている時の方が生産性が高くなるという知見を得た。しかしこの調査は意外な結果ももたらした。それは、ハイブリッドワークがより高い生産性や、仕事に対する高い満足感にはつながらないというものだった。
この調査により、開発者が仕事中、特にコードのレビューを待ったり、ミーティングに参加している時間に抱く心の乱れによって集中力が低下するということが明らかになった。Houck氏によると、「仕事への集中」が鍵であり、気を散らす物事は生産性低下の大きな原因になるという。
生産性の測定は複雑な作業となる。例を挙げると、開発者からのプルリクエストの数は、2020年春の全面的なリモートワーク期間中に20%上昇した。そして同時期には、Microsoftの株価も20%上昇した。Houck氏は「われわれは大量のコードを生産していた」と述べた上で、「こうした数値に目を向けると、生産性が向上したのは確かだと思うかもしれない。しかしそれは違う。当社の開発者らは惨めな状況にあった。彼らは1日に12~14時間も働き、チームとのつながりを失っていると感じていた」と述べた。