DaaSを正しく理解する
今回は「DaaSを正しく理解する」についてご紹介します。
関連ワード (改めて考えるVDIとDaaSの使い所、特集・解説等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
前回の記事では、仮想デスクトップインフラ(VDI)とDesktop as a Service(DaaS)の違いについて詳細にご紹介しました。本稿では、DaaSにフォーカスし、新しい働き方との相性やメリットについて事例を交えてご説明します。
現在、多くの企業は、物理デスクトップ戦略の強化やオンプレミスのVDIの更新を目的に、DaaSなどのソリューションに目を向けています。DaaSは、基本的にサービスプロバイダーがエンドユーザーにインターネット経由で仮想デスクトップやアプリケーションを提供するクラウド コンピューティング製品です。
Future Market Insightsのレポートによると、クラウドベースのソリューションやテクノロジーへの投資の増加、デジタル化、スマートデバイスの普及が要因となり、DaaS市場は2029年までに178億米ドルに達すると予測されています。特にアジア太平洋(APAC)地域は、クラウドの導入とITインフラの進化に伴い、順調に成長しており、DaaSのようなソリューションがより多く受け入れられています。
「Global Business Technographics Infrastructure Survey(2019)」によると、クライアントPCとしてDaaSとVDIどちらを検討するかという質問に対し、インドや中国、オーストラリアではDaaSの選択比率がVDIを大幅に超えました。
インドや中国など、クラウドネイティブという考え方が浸透している市場においては、レガシーシステムの障壁が他国に比べて低く、オンプレミスとの共存が最大のメリットであるVDIの導入よりも、DaaS導入を検討する企業が多いと推測することができます。
また、「Asia-Pacific Desktop as a Service Market 2019-2025」によると、APAC地域のDaaS市場は、2025年までに年平均成長率10%以上で成長すると予想されており、この成長は主に中国、インド、日本、その他のアジア太平洋諸国などの主要国の成長率に支えられています。
さらに、ウェブ対応サービスによるデータへのアクセスの増加も、DaaSソリューションの採用を後押ししています。人工知能(AI)、機械学習(ML)、分析、ロボティクスなどの新技術は、DaaSのようなソリューションに道を開き、その成長にプラスの影響を及ぼしています。
DaaSは、セキュリティに妥協することなく、従業員の満足度を向上させ、IT部門のプロセスを容易にするなど、複数の利点を備えています。
Citrixが、Forrester Consultingに委託して、4つのインタビューを実施し、31の組織に対して実施した調査の結果では、「Citrix DaaS」の導入により、IT効率が10%向上し、従業員の生産性も5%アップしたと報告されています。
クラウドの柔軟性は、サポートやITリソースの必要性を減らし、俊敏性を高めるとともに、その他の複数のコストを削減するのに役立ちます。同調査でも、ヘルプデスクのチケット(問い合わせ)が3000件減少したことが報告されています。
リモートワーカーやハイブリッドワーカーである従業員は、トラブルによる作業中断が軽減され、より効率的に業務を進めることができます。また、全てのデータはデバイスではなく、クラウドやデータセンターに安全に保存されるため、従業員はどこからでも、どのデバイスでも、どのネットワークからでも、使いやすさを保ったまま安全に仕事ができます。
集中管理により、IT部門は環境を迅速かつ容易に拡張できます。エンドポイントと企業データが分離されているため、デバイスが危険にさらされても、リソースは保護されたままです。クラウドの柔軟性を活用することで、組織の時間とコストを節約できます。承認されたエンドユーザーは、インターネットに接続されたデバイスから、仮想デスクトップを介して、どこからでもファイルやアプリケーションにアクセスできます。