日本MS、法人向けに「Microsoft 365 Copilot」を提供–知的財産保護のサポート製品も
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日本マイクロソフトは10月27日、「Microsoft 365 Copilot」の説明会を開催した。11月1日から法人企業への提供を開始するが、「Copilot in Excel」で使用できる言語は英語のみ。今後の更新で日本語を含む多言語に対応する予定となる。
同社 業務執行役員 モダンワークプレイスGTM 本部 本部長の山田恭平氏は「多様な業種に合わせてCopilot、すなわち副操縦士が支援する」とMicrosoft 365 Copilotの概要を説明した。「Microsoft 365 E3/E5」契約中の企業はユーザー当たり月額30ドルで利用できるという。
近年のMicrosoftがAIを主たる戦略として推進しているのは既報の通りで、同社の年次イベントの一つである「Microsoft Ignite 2023」もメインテーマはAIだ。
すでに「Windows 11」や「Bing」でAI機能を利用できるが、こちらは消費者向けの機能。同社はAI機能全体を「Microsoft Copilot」と呼称し、Windows 11経由は「Copilot in Windows」、法人向けデータ保護機能も備える「Bing Chat Enterprise」、そして「Microsoft 365 Apps」を対象にしたAI機能をMicrosoft 365 Copilotと称している。
国内企業が11月1日から利用できるのは「Copilot in Word」「Copilot in Excel(日本語未対応)」「Copilot in PowerPoint」「Copilot in Outlook」「Copilot in Teams」の製品向けAI機能に加えて、社内書類の作成などを支援するチャットボットの「Microsoft 365 Chat」も用意した。
Microsoft 365 Copilotは、既存のアプリケーションとMicrosoft 365の関連データを蓄積する「Microsoft Graph」を大規模言語モデル(LLM)で分析し、利用者への応答や提案を行う。
例えば、Copilot in Wordであれば文章の下書き作成や既存文章の要約、Copilot in PowerPointも各種自動作成機能を備えるが、チャットによるレイアウト調整や書式変更は、プレゼンテーションデータ作成時間の短縮につなげられるとしている。
Microsoft PowerPointも以前からスライドの下地を作成するデザイナー機能を備えているが、Copilot in PowerPointは異なるロジックで使用する写真やデザインを提案する。ただし、各アプリケーションへの指示は多くのAIソリューションと同じくチャット形式のため、優れたプロンプト入力が必要だ。
Microsoftはプロンプトの提案や共有をウェブサイト経由で行う「Copilot Lab」の提供を予定しているが、コンテンツの充実度や日本語への対応などは現時点で明らかにしていない。
また、AIが生成する文章や画像が著作権侵害を起こした際、Microsoftが著作権侵害の苦情に対応する「Copilot Copyright Commitment」も紹介した。既存の知的財産保護サポートを各Copilotに拡大したものだが、Microsoft 365 Copilotの企業導入を後押しするサービスになると期待している。