「Linux」でbashプロンプトをカスタマイズするには
今回は「「Linux」でbashプロンプトをカスタマイズするには」についてご紹介します。
関連ワード (Linuxノウハウ、特集・解説等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
「Linux」は市場で最も柔軟なOSだ。多くのLinuxディストリビューションは、無限にカスタマイズできる。デスクトップのルックアンドフィールを微調整したり、デスクトップ自体を変更したりして、非常に個性的かつユニークな体験を作り出すことが可能だ。
カスタマイズできることがあまり知られていないこともある。bashプロンプトだ。よく知らない人のために説明しておくと、bashプロンプトは、コマンドの実行に使用されるプロンプトである。ターミナルウィンドウを開くと、以下のようなプロンプトが表示されるはずだ。
これが筆者の「Ubuntu Budgie」デスクトップのデフォルトのプロンプトだ。基本的に、このプロンプトは以下の情報で構成されている。
こうした詳細な情報が必要な場合もあれば、必要でない場合もある。例えば、現在の作業ディレクトリーをプロンプトに含めると、プロンプトが長くなりすぎて、コマンドがターミナルウィンドウ内で改行されることもある。筆者はそれに強いいらだちを感じる。pwdコマンド(現在の作業ディレクトリーを出力する)を実行するだけで、その情報を確認できることを考えると、なおさらだ。
筆者はミニマリズムを好む傾向があるので、必要最低限の情報だけを含むbashプロンプトの方が好きだ。情報が多すぎて、ワークスペースが乱雑になることは望ましくない。自分のユーザー名や自分のコンピューターのホスト名をいちいち教えてもらう必要もない。
さらに、bashプロンプトを、作業に使用中のリモートマシンのbashプロンプトと大幅に異なるものにして、それら2つのプロンプトを混同してしまうのを防ぎたくなることもある。そのため、筆者はbashプロンプトをカスタマイズして、含まれる情報を可能な限り少なくすることを好む。場合によっては、:とスペースだけをbashプロンプトに含めることもある。これは効果的であり、分かりやすい。
本記事では、bashプロンプトをカスタマイズする方法を解説する。
必要なもの:必要なのは、bashをシェルとして使用するLinuxの実行中のインスタンスだけだ。主流のLinuxディストリビューション(「Ubuntu」「Linux Mint」「Fedora」など)を使用している場合は、bashがデフォルトのシェルなので、問題はない。
bashプロンプトのカスタマイズは非常に複雑になる場合がある、ということに注意してほしい。ただし、本記事で紹介する手順は簡単なので、心配する必要はない。今後の記事では、さらに難しいカスタマイズをプロンプトに追加する方法について、解説する予定だ。今回は、基本的なカスタマイズの仕組みを知ってもらうため、簡単な手順を紹介する。
最初に、デスクトップメニューからターミナルアプリケーションを開く。デフォルトのbashプロンプトが表示されるはずだ。
次に、以下のコマンドで.bashrcファイル(ユーザーのさまざまな設定が書かれた特定のファイルで、ログイン時に読み込まれる)を開いて、編集できる状態にする。
bashプロンプトに「prompt:」という文字だけを表示させたいとしよう。もちろん、どんな文字でも表示させることが可能だが、ここでは、本記事の趣旨に沿って、prompt:と表示させる。
.bashrcファイルの一番下までスクロールし、ファイルの最後に以下の行を追加する。
注:PS1はプライマリーのプロンプト文字列であり、引用符で囲まれた文字はすべてプロンプトに表示される。
「Ctrl」+「X」キーのショートカットで.bashrcファイルを保存して閉じる。その後、ファイルのソーシングと呼ばれる操作を実行する。これにより、ログアウトして再度ログインしなくても変更が有効になる。ミスを犯した場合に修正のチャンスを得られるという利点もあるので、これは実行した方がいい。
.bashrcファイルをソーシングするには、以下のコマンドを実行する。
変更がすぐに反映され、bashプロンプトには、prompt:だけが表示されるはずだ。これで、そのほかの情報に煩わされることなく、作業を開始できる。このbashプロンプトの表示内容が気に入らない人は、.bashrcファイルに戻って、表示内容を変更するか、あるいは設定行を削除して、ソースコマンドを再度実行するといい。
Linuxのbashプロンプトをカスタマイズする手順の説明は、以上である。先述したように、このトピックは今後の記事でも取り上げる予定で、より多くの情報をプロンプトに追加する方法や、色を変更する方法などを解説していくつもりだ。