AWS、新型チップ「Trainium2」「Graviton4」を発表–NVIDIAとの提携も拡大

今回は「AWS、新型チップ「Trainium2」「Graviton4」を発表–NVIDIAとの提携も拡大」についてご紹介します。

関連ワード (ITインフラ等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 Amazon Web Services(AWS)は米国時間11月28日、ラスベガスで開催中の年次開発者会議「AWS re:Invent」で、ニューラルネットワークの学習専用チップの新バージョン「Trainium2」を発表した。Trainium2は大規模言語モデル(LLM)と基盤モデルの学習に特化して設計されている。

 AWSはまた、クラウド向けプロセッサーの新バージョン「Graviton4」を発表したほか、NVIDIAとの提携を拡大し、AWSのクラウドコンピューティングサービスでNVIDIAの最先端のチップを稼働させることを明らかにした。

 Trainium2は、数兆個ものパラメーター(重み係数)を持つニューラルネットワークを処理するように設計されている。これらのパラメーターが、いわばプログラムのアルゴリズムの役割を担い、スケールとパワーをもたらす。AI業界全体として重点的に取り組んでいるのが、パラメーターをさらに大規模に拡張することだ。

 パラメーター数を兆単位にすることが重視されるのは、人間の脳のニューロン(神経細胞)が100兆個以上のシナプスで結合されていると考えられていることも一因だろう。そのため、1兆個のパラメーターを持つニューラルネットワークプログラムとなれば、実際にそうであるかどうかは別として、人間の脳と関連があるように見える。

 AWSによると、Trainium2は現行モデルより「学習性能を最大4倍高速化し、メモリー容量を最大3倍増やすよう設計されている」一方で、「エネルギー効率(ワットあたりのパフォーマンス)は最大2倍向上した」という。

 AWSはTrainium2を、クラウドコンピューティングサービス「Amazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)」の「Trn2」インスタンスで利用できるようにする。このインスタンスでは、Trainium2チップ16基が連携して動作する。「EC2 UltraClusters」では10万チップまで拡張できるという。これらは同社のネットワーキングシステム「Elastic Fabric Adapter(EFA)」を利用して相互接続され、合計65エクサFLOPSの処理能力を提供できる(1エクサFLOPSは、浮動小数点演算を毎秒100京回行える性能を表す)。

 AWSによると、この規模の処理であれば、「顧客はパラメーターが3000億個のLLMを、数カ月ではなく数週間でトレーニングできる」という。

 顧客向けのサービスに加えて、AmazonにはAIチップの限界に挑み続ける動機が他にもある。同社は9月、OpenAIの元幹部らが設立した株式非公開の新興企業で、生成AIを手がけるAnthropicに最大40億ドル(約5900億円)を出資すると発表した。この出資により、同社はMicrosoftとOpenAIの独占的な提携関係に対抗できる立場になる。

 Armが持つマイクロプロセッサーの知的財産を基盤に開発されたGraviton4チップは、従来のx86チップ規格をベースにしたIntelやAdvanced Micro Devices(AMD)のプロセッサーと競合する。AWSはGraviton4について、「Graviton3」と比べて「演算性能が30%向上した」としている。

 Amazonの発表の2週間ほど前、Microsoftは同社初のAI向けチップ「Microsoft Azure Maia 100 AI Accelerator」を発表した。Amazon、Microsoftと並ぶクラウド大手であるAlphabet傘下のGoogleは、2016年に初のAI向けクラウドチップ「Tensor Processing Unit(TPU)」を両社に先駆けて発表し、その後もTPUを複数世代にわたり進化させている。

 新チップ2製品に加え、AmazonはAIチップ大手NVIDIAとの戦略的提携を拡大したと発表した。AWSは、ArmベースのCPU「Grace」とGPU「Hopper」を組み合わせたNVIDIAのマルチチップ製品「GH200 Grace Hopper」を搭載する最初のクラウドサービスになる見込みだ。

 8月に発表され2024年出荷開始予定のGH200チップは、2023年入って発表されたGrace Hopperの次期バージョンだ。

COMMENTS


Recommended

TITLE
CATEGORY
DATE
半導体不足、6カ月は続く見込み–米商務省
IT関連
2022-01-27 08:48
ウクライナ狙う"破壊的"なマルウェア「WhisperGate」など、FBIとCISAが注意喚起
IT関連
2022-03-04 07:48
ワイヤレス充電技術のPowermatが太陽光発電設備を自律ロボで掃除するJetsons Roboticsと提携、産業用アプリ進出を目指す
ハードウェア
2021-01-23 21:54
串カツ田中とインフォマート、Restartzが外食店舗運営クラウドを正式リリース
IT関連
2022-11-06 19:27
第3世代iPhone SE、ついに5G対応もミリ波がない理由―iPhone 14シリーズ、日本でミリ波対応はありえるのか
IT関連
2022-03-12 15:24
日本テラデータ、AI特化の新たなコンサルサービスを提供
IT関連
2024-02-07 05:14
⽇本のCDOが取り組むべき課題とは–日本IBMが最新調査
IT関連
2023-07-28 18:17
Webの将来はサーバサイドレンダリング(SSR)に回帰していく。Denoが主張するIsomorphic JavaScript(もしくはUniversal JavaScript)とは何か?
Blazor
2023-02-07 21:20
アニメ「ぐんまちゃん」10月放送開始 群馬の魅力も発信
くらテク
2021-07-03 21:54
次期iPad Pro 12.9-inch (5th generation) はミニLEDバックライト付きの可能性
IT関連
2021-03-19 14:10
古いノートPCに「Linux」をインストールするには
IT関連
2023-03-31 06:39
アクセンチュア、ヴイエムウェアとの事業グループ立ち上げ–組織のクラウド移行加速へ
IT関連
2021-02-15 19:56
【3月14日】掲載記事アクセスランキング・トップ5―1位はロシアがInstagramのブロック、2位は第3世代iPhone SE
IT関連
2022-03-15 14:35
人気のポケモンカード、ポケセン店頭販売止めネット抽選に 28日発売の4商品
くらテク
2021-05-13 11:54