生成AIを活用した価値創出の体現が勝負の分かれ目–SCSK・當麻社長
今回は「生成AIを活用した価値創出の体現が勝負の分かれ目–SCSK・當麻社長」についてご紹介します。
関連ワード (CIO/経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
2024年に向けたIT企業のトップメッセージや年頭所感を紹介する。
SCSK 代表取締役 執行役員 社長 當麻隆昭氏
(役職員向け年頭あいさつの要旨より)
2023年は、ウクライナ紛争の長期化、西側諸国と中国・ロシアの対立構造の深まりによる世界的な分断、中東地域における新たな武力衝突など、世界情勢は緊迫度を増し、不安定な状況が続く1年でありました。国内においては、5月に新型コロナウィルス感染症が5類へ移行し、外出機会の増加や訪日外国人旅行者の急増、各種イベントの再開などで個人消費を喚起する動きが活発化し、経済活動も正常化してきました。
2023年は当社においても、さまざまな分野で高い評価をいただき、社会的な評価、ブランド力も向上し、着実に企業価値が高まってきました。また、新たな中期経営計画がスタートし、全社員が同じ方向を向き、愚直に「変革と実行」を実践していくことで、今後その効果が少しずつ業績にも表れてくるのではないかと考えています。
SCSKグループが属するITの分野においても、生成AIやロボット、IoT技術の実用化の拡大、メタバースやデジタルツインなどの仮想空間の社会展開の加速、ブロックチェーン技術の活用など、社会課題の解決に向けてデジタル技術の活用がさまざまな産業で進み始めています。特に、生成AIは驚異的なスピードで進化を遂げており、ITサービス事業者の未来を左右する重要な技術要素として、業界に大きな変革をもたらします。生成AIの進化は、われわれにとって大いなる脅威であると同時に、事業成長の絶好の機会でもあると言えます。
SCSKグループはITのプロとして、誰よりも早く、率先して生成AIを使いこなす、徹底的に活用し尽くす必要があります。SCSKグループ内においても、既に生成AIの活用は進み始めており、開発業務のさまざまなフェーズでの活用検証を実施しています。生成AIを活用して価値創出を体現する、これが勝負の分かれ目です。われわれのサービスやソリューションにAIを組み込み、生産力を高め、提供価値を高め、国内外に打って出ていかなければなりません。
生成AIの活用に限らず、われわれの生産力・提供価値を高めるに当たり、足りない技術やリソースは積極的にパートナーと連携していきます。それは国内にとどまらず、グロバールな視野で進めていくべきであり、SCSKグループが主体性を持ち、自らの意思で進めていくつもりです。
中期経営計画の方針として、「総合的企業価値の飛躍的な向上」を掲げました。総合的企業価値とは、「成長戦略としてのサステナビリティー経営」を実践し、「2030年共創ITカンパニー」の実現を目指すために、SCSKグループが本質的な企業力として目指す価値。「経済価値」「社会価値」「人的資本価値」など、非財務要素を包含した企業価値のことです。この総合的企業価値の向上により、お客さまや開発パートナー、製品ベンダー、そして学生やIT技術者など、「人が集まり、人に選ばれるSCSKグループ」を全員で目指しましょう。それがひいては共創ITカンパニーの実現につながるものと考えています。
そのためにわれわれは、先ほど述べた生成AIに限らず、常に新しい技術を積極的に導入し、変化し続けることで、お客さまに付加価値を提供し続けなければなりません。そして同時に、技術の進化が社会全体に良い影響を与えるよう努めなければなりません。SCSKグループは変化し続けるのです。そしてその変化は、誰かが実現してくれるものではなく、私たち一人一人が自分事として主体的に行動していかなければ実現できないということを認識してください。
2024年は、SCSKグループが2023年までに取り組んできたさまざまな施策や活動が、1つ2つと形になり、一段上へ成長していき、ステージを高めていける年となるよう、皆で頑張っていきましょう。