Terraformをフォークした「OpenTofu 1.6」、早くも正式版が登場
今回は「Terraformをフォークした「OpenTofu 1.6」、早くも正式版が登場」についてご紹介します。
関連ワード (発表、目指、開発等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、Publickey様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
HashiCorpのインフラ構成ツールであるTerraformをフォークしたオープンソースのプロジェクト「OpenTofu」が初めて正式版としてリリースされました。
The OpenTofu community is excited to announce the general availability of OpenTofu, the open source fork of Terraform, now a production-ready project under the Linux Foundation.
Read the full announcement: https://t.co/KhJXz1Ge14#opensource #opentofu pic.twitter.com/miN1gj2ByE
— The Linux Foundation (@linuxfoundation) January 10, 2024
Terraform 1.5.6をフォークし、OpenTofu 1.6に
OpenTofuは、HashiCorpがそれまでMozilla Public License v2.0(MPL2.0)のオープンソースライセンスで提供していたTerraformを含む同社の製品群が、商用利用に制限があるBusiness Source License v1.1(BSL1.1)に変更されるとの2023年8月の発表をきっかけに立ち上がったプロジェクトです。
2023年9月にLinux Foundation傘下でOpenTofuプロジェクトが立ち上がり、MPL2.0が適用されるTerraformの最後のバージョンとなったTerraform 1.5.6をフォークしてOpenTofu 1.6の開発が始まりました。
そこから4カ月で、今回のOpenTofu 1.6正式版のリリースに到達したことになります。
早期リリースを目指したOpenTofu 1.6
今回正式リリースとなったOpenTofu 1.6は、可能な限り早期にリリースすることと、可能な限り安定したものにすることという2つの目的で開発されたと説明されています。そのため以下のような少数の新機能のみ追加されました。
- OpenTofuの設定テスト、モジュール作者によるモジュールテスト。これらの安定性が向上し、OpenTofuのコアと完全に統合されました。
- S3ステートバックエンドが更新され、多くの新しい認証方法が追加されました。S3互換のオブジェクトストレージでも動作します。
- GitリポジトリをベースにしたHomebrewライクな新しいプロバイダーとモジュールのレジストリの提供。新しいプロバイダーやモジュールの公開は、プルリクエストだけで可能になりました。
その上で、次期バージョンとなるOpenTofu 1.7では、Terraformでは利用できない、コミュニティから要求された新たな機能が導入される予定として、以下の機能が挙げられています。
- 規制された環境でのセキュリティ強化に適したクライアントサイドの状態暗号化
- パラメータ化可能なバックエンド、プロバイダー、モジュールにより、読みやすくDRY(Don’t Repeat Yourself:繰り返しのない)なコードを可能にする
- サードパーティによる拡張性を実現するための新しいステートバックエンドのためのプラグインシステム
これらを見ると、今後OpenTofuはTerraformとは別々に進化していくことになるようです。
関連記事
HashiCorpのプロダクトとしては、TerraformだけでなくVaultもフォークされ、Linux Foundation傘下で開発が進められています。
- HashiCorp Vaultもフォークへ、「OpenBao」がLinux Foundation傘下で進行中