企業のAI導入が進む一方で、一番の阻害要因はスキル不足–IBM調査

今回は「企業のAI導入が進む一方で、一番の阻害要因はスキル不足–IBM調査」についてご紹介します。

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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 多くの企業は、IT運用の自動化や、潜在的なセキュリティ上の脅威を検出する手段として人工知能(AI)に注目しているが、AIに関するスキルセットの不足がそうした取り組みの阻害要因となっている。

 最近発表されたIBMの調査レポートでは、企業の約42%がすでにAIを使用しており、そのうち59%が今後AIに対する投資を加速・増加させる予定であることが明らかになった。また、40%の企業が積極的にAIの利用を検討していることも分かった。この調査はIBMが委託したもので、Morning Consultが2023年11月にオーストラリア、シンガポール、インド、韓国、ドイツ、米国、英国を含む世界中のITプロフェッショナル8584人を対象として実施した。

 AIの利用率が高かった国は、インド(59%)、UAE(58%)、シンガポール(53%)、中国(50%)だった。一方、積極的にAIを利用している企業の割合が低かったのは、オーストラリア(29%)、スペイン(28%)、フランス(26%)だった。

 また、中国(85%)とインド(74%)ではAI導入を加速する予定である企業が多かったのに対して、カナダ(35%)やオーストラリア(38%)では少数にとどまっていた。

 回答者全体では、所属企業がAIを導入済みまたは検討中と答えた人のうち59%が、過去2年間でAIに対する投資または導入を加速させたと述べていた。AI投資の内容を尋ねる質問では、44%が研究開発、39%が人材育成・人材開発を挙げている。

 最近の生成AIの台頭を受けて、企業の38%が生成AIツールを導入しており、42%が生成AIの導入を検討していることも分かった。

 生成AIの導入を妨げている要因を尋ねる質問では、57%がデータプライバシーを、43%は信頼と透明性を挙げている。

 またAIを導入した、あるいは導入計画を検討している理由を尋ねる質問では、回答者の33%がIT運用の自動化を、26%がセキュリティと脅威の検知を挙げた。さらに、25%はAIの監視やガバナンスを、24%はビジネスアナリティクスまたはインテリジェンスを挙げている。

 調査では、回答者の33%がAIに関するスキルや専門知識の不足がAIの導入や導入検討を妨げていると述べており、25%が阻害要因としてデータの複雑さを挙げている。そのほか、倫理的な懸念(23%)や、AIプロジェクトの統合や拡張が困難であること(22%)、コストの問題(21%)を挙げる企業もあった。また21%は、AIモデルを構築するツールの不足を阻害要因として挙げていた。

 回答者の約20%は、AIや自動化ツールを使用する適切なスキルを持つ従業員が組織にいないと考えており、16%は、そのギャップを埋めるために必要なスキルを持つ従業員を採用できないとしている。

 人手不足を解消するためにAIを活用している組織のうち、55%は自動化ツールを使って手作業や反復作業を削減している。さらに47%は、顧客が自力で回答や対応策を見つけられるようカスタマーサービスを自動化するためにAIを活用している。

 AIの導入を促進している主な要因としては、AIツールの進化による利用のしやすさ(45%)、標準的な既製の企業向けソフトウェアに組み込まれるAIの増加(37%)などが挙げられている。

 さらに、近年のAIの重要な変化として、43%の回答者が展開の容易さ、42%がデータやAI、自動化に関連するスキルの普及を指摘している。

 また消費者は、透明性があり倫理的なAIを実践している企業のサービスを選ぶ可能性が高いという意見には85%が同意しているものの、信頼できるAIの実現に向け、バイアスを減らすことに取り組んでいると回答した組織はわずか27%にとどまっている。データの出所を追跡するための措置を講じているとした回答者は37%、倫理的なAIポリシーを策定していると回答したのは44%だった。

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