自治体の多様な課題に挑み続けるZVC JAPAN–これまでの連携協定で見えてきたこと
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2020年に締結した大分県との包括連携協定を皮切りに、15自治体(2024年1月現在)と連携協定を結ぶZVC JAPAN(Zoom)。同社は、それぞれの地域が抱える社会課題にZoom製品を用いて、生産性の向上や豊かな生活の実現に向けた自治体との連携を加速させている。今回は、ZVC JAPANで公共・文教営業部 部長を務める島方敏氏に、自治体におけるZoom製品の活用や目指す先を尋ねた。
ZVC JAPANは、ビデオ会議サービス「Zoom Meetings」やクラウド型電話サービス「Zoom Phone」など、コミュニケーションツールを提供している。島方氏は中央省庁をはじめ、地方自治体などの公的機関に加え、幼稚園から大学までの文教領域を対象にした営業部隊を率いる。
同社が地方自治体との包括連携協定を初めて締結したのは大分県だった。営業活動を進める中で、同県のデジタル推進の担当者から、コロナ禍における庁内の働き方や住民サービスに関する相談を受けたことが始まりだという。2020年3月にZoom製品を利用した実証を開始し、4月にはトライアルアカウントを利用しながら、新型コロナウイルス感染症対策に関する支援制度の説明会などに利用して検証を行った。
本格的に導入した6月からはZoom製品を活用した合同企業説明会の実施やウェブ会議環境を構築し、さまざまな分野での利用を見据えて10月にZVC JAPANと包括連携協定を締結。当時、大分県知事を担っていた広瀬勝貞氏が、コロナ禍でのDX推進に積極的に取り組んでいたことも協定締結の背景にあったという。
島方氏は、同県との連携協定を具体的に進める中で、「自治体と一緒に何ができるのか、どのような分野であれば実証ができるのかが分かり始めてきた。そこから大分県の事例が公に出てきたことで、ほかの自治体から声をかけていただき、その後の連携協定につながった」と話す。
Zoomに対して各自治体からは、「認知度が高く、容易に導入・利用ができ、安定的に運用できる」という点が評価され、連携協定の締結に至るのだという。また、コミュニケーションツールとしてZoom Meetingsを利用したことがある人が多いため、住民からの理解が得やすいサービスとしてZoom製品を導入する自治体も少なくないという。
最近では愛媛県宇和島市や香川県高松市などとの連携協定を結んでいるが、自治体によって連携協定の項目はさまざまで、課題に合ったソリューションを同社は提供している。島方氏は、さまざまな自治体との連携協定を経て「われわれは基礎自治体の細かな課題に入り込み、ソリューションを提供できる」という強みがあると強調した。コミュニケーションプラットフォームとしてさまざまなソリューションを提供している同社では、具体的な実証の段階まで落とし込めるとしている。
例えば、庁内DXに向けた取り組みであれば、職員の働き方改革や業務効率化に向けて自治体ではZoom MeetingsやZoom Phone、随時使用できるチャット機能である「Zoom Team Chat」などを導入している。
Zoom製品の利用例について尋ねると、議事録や文字起こしのニーズが非常に高いという。2023年に発表された生成AI機能「Zoom AI Companion」では、Zoom Meetingsでの会話を文字起こしするほか、内容を要約する機能が備わっている。長時間におよぶ議会では文字起こしツールとして申し込みが多い一方、議事録としての利用はAIの精度など今後検証を経ての利用になるとしている。
また住民向けサービスでは、交通の便が悪い地域の市民に向けた出張窓口や、農林水産業などでの人材不足や技術継承、学校の統廃合が進む中で、同じ質の教育を児童に提供するための方法が模索されているという。ほかにも自然災害時の対応なども課題に挙げられる。