東芝、GXやエネルギー分野DXのテクノロジーを示す–電力インフラ実績をベースに

今回は「東芝、GXやエネルギー分野DXのテクノロジーを示す–電力インフラ実績をベースに」についてご紹介します。

関連ワード (CIO/経営、カーボンニュートラル(脱炭素)等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 東芝グループは2月15日、GX(グリーントランスフォーメーション)ソリューションへの取り組みやエネルギー分野におけるDXに関する説明会を開催した。同社グループのカーボンニュートラルに向けた提案は、二酸化炭素(CO2)の「削減」と「除去」の2つのアプローチが特徴になり、グループ自らもデジタル技術を用いたソリューションを積極的に採用することで2050年にネットゼロを目指しているという。

 グループのGXソリューションの取り組みで中核的な役割を担っているのが、東芝エネルギーシステムズになる。火力発電や原子力発電、電力流通のほか、再生可能エネルギーや水素エネルギー、さらには原子力技術を応用したがん治療などの新技術などにも取り組んでいる。同社 エネルギーアグリケーション事業部 デジタリゼーション技師長の武田保氏は、「当社は、フィジカルな商材が多いが、これらをデジタルでつなぎ、スマートなエネルギー社会に貢献できる点に強みがある。これまで蓄積したエネルギーに関する技術やノウハウを活用でき、デジタルを融合しながら、高いレベルでサービスを提供できる点がIT関連企業との差別化点になっている」と紹介した。

 また同氏は、「CO2排出量を削減するだけではネットゼロの達成は不可能。排出されたCO2を除去する技術を組み合わせることでネットゼロを達成でき、さらにカーボンネガティブの推進にもつなげられる」とした。省エネルギーや再生可能エネルギー(再エネ)、電化などのCO2の「削減」に加えて、貯留する「Carbon Capture and Storage(CCS)」、分離・回収する「Carbon Capture and Utilization(CCU)」、大気から回収する「Direct Air Capture(DAC)」、化成品などに再生する「Power to Chemicals(P2C)を通じた「除去」にも取り組んでいることを強調した。

 CO2削減に関しては、「再生可能エネルギーマッチング」の取り組みに触れた。その1つが、再エネアグリゲーションサービスである。再エネ発電事業者向けに疑似FIT(フィード・イン・プレミアム制度)を構築、固定単価で買い取りし、発電事業者の収益安定化に貢献するという。需要家や卸売市場向けには、発電予測技術を用いて計画値を作成し、安定電源の提供に貢献するサービスと位置付けている。

 「再エネを多くの需要家に利用してもらうことが大切であり、東芝グループは、再エネを集め、供給する役割に注力している。気象情報などから発電量を予測し、できるだけ高い価格で売却するためのデジタル技術が必要で、AIや最適化計算を駆使してサービスを提供する」(武田氏)という。

 需要家向けのGXサービスでは、「GXエンジニアリング」を提供している。工場などの拠点における全体の電気使用量や、構内に設置したボイラーなどによる熱エネルギーの利用状況を可視化して、効率的なエネルギー使用を提案する。東芝が発電所運用などで培ってきたヒートバランス計算技術や設備設計技術を用いてデジタルツインを構築することで、省エネやカーボンニュートラルの実現に貢献できるという。

 武田氏は、「現状を可視化でき、それを基に機器の入れ替えといった改善検討も可能になる。精緻(ち)なシミュレーションによって、機器への投資の前に効果を確認するといった使い方も可能になる」と説明した。

 CO2除去では「P2C(Power to Chemicals)」の取り組みを紹介した。ここでは、回収したCO2を再エネの電気で分解し、有機材料として再生する。燃料や化成品として循環できるものだ。東芝エネルギーシステムズでは、CO2を一酸化炭素(CO)に変換する電解装置を開発しており、バスケットボールコート程度の装置面積で年間約2万トンのCOを製造できるという。この装置を複数組み合わせて、より多くのCOを製造できるように進化させる計画だ。

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