アリババクラウド、生成AIの提供加速–画像生成で資生堂のマーケティング支援
今回は「アリババクラウド、生成AIの提供加速–画像生成で資生堂のマーケティング支援」についてご紹介します。
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中国を拠点とするアリババクラウドは2月27日、日本市場における2024年のビジネス戦略を解説するとともに、資生堂の日焼け止めブランド「アネッサ」のマーケティング活動でアリババクラウドの画像生成モデルが活用されていると発表した。
アリババクラウドは、ECプラットフォーム「天猫(Tmall)」やオンライン決済サービス「Alipay」など、幅広い事業を展開するアリババグループを技術面で支援している。
アリババクラウドは、アリババグループでの知見を生かした高い安定性・安全性・コストパフォーマンスが特徴。安定性では、同グループが毎年11月11日の「独身の日」に中国で開催するECイベント「天猫ダブルイレブン・ショッピングフェスティバル」において、期間中のトラフィックが通常時の約122倍になる中、レスポンスの速度を通常通りに保った。安全性では、1日約70億回のサイバー攻撃を防御しており、中国国内の約4割を占める同グループ関連のトラフィックを保護している。コストパフォーマンスの面では、競合他社より3割以上安価で提供しているという。
アリババクラウドは世界で30カ所のリージョン、89のアベイラビリティーゾーンを展開。日本では3カ所のデータセンターを擁しており、顧客には資生堂、ニトリ、TSIホールディングスといった大手企業からスタートアップ企業まで名を連ねる。
同日開催の説明会では、アリババクラウド・ジャパンサービスのゼネラルマネージャーに新たに就任したエドワード・リュウ氏が日本市場における2024年のビジネス戦略を解説した。リュウ氏は2016年に同社の国際チームに参画し、海外市場における業務発展に携わってきた。
同戦略では、(1)生成AIサービスの提供加速、(2)デジタルネイティブ企業の成長と日本発グローバル企業の東南アジア展開の支援、(3)生成AI分野における日本のスタートアップ企業を支援するプログラム「Alibaba Cloud Startup Catalyst Program」、(4)日本のパートナー企業との連携を強化し、多岐にわたる業界のニーズへの対応――を挙げた。
チーフ ソリューション アーキテクトの与謝野正宇氏は、アリババクラウドが提供するAIソリューションの特徴を説明。IaaS内のAI加速エンジン「Apsara AI Acceleration」(AIACC)では、深層学習と推論を高速で行うとともにコストを抑える。PaaS内のAIエンジニアリングプラットフォーム「Platform for AI」(PAI)では、データの準備、モデルの開発/トレーニング/デプロイを行う(図1)。モデルのデプロイを行う「PAI-EAS(Elastic Algorithm Service)」はコンピューティングリソースを動的に割り当てることで、AIモデルの推論コストを最大約半減させる。
資生堂は、アジア太平洋地域(APAC)で展開するキャンペーン「Anessa Doodle Challenge(仮訳:アネッサ落書きチャレンジ)」において、アリババクラウドの画像生成モデル「通義万相(Tongyi Wanxiang)」を活用している。
同キャンペーンは中国本土で2月17日~3月16日に実施。ユーザーは天猫やメッセージアプリ「微信(WeChat)」におけるアネッサのブランドページ上で「太陽」や「喜び」に関するプロンプト(指示文)を選択すると、同ブランドのロゴを交えたイラストが生成される(図2)。
生成されたイラストはウェブ上の専用ギャラリーに展示され、ほかのユーザーの作品に「いいね!」やコメントをしたり、SNSに共有したりできる。こうしたユーザー参加型のキャンペーンにより資生堂は、Z世代(1996~2012年に生まれた世代)の消費者との接点を強化し、ブランドに対するエンゲージメントの向上を図る。アリババクラウドによるとキャンペーン開始以降、数千人が参加しており、200近くの作品が専用ギャラリー内で展示されている。